鏃
未査定
ひらね(すかしやじり) 平根(透かし鏃)(4本)/ホームメイト

本鏃(やじり)は、透かしが施された平根の鏃。「平根」(ひらね)とは、身幅が広く扁平で、重ねも薄い形状の鏃を指します。
平根の鏃は、射切ることを目的とし、主に狩猟などに用いられました。ただし、鏃としては大型で先端が鋭くないため、遠くまで飛んで刺さるという矢の役割には不適だったとされます。
本鏃には、鏃の透かしとして一般的な桜の花と、魔除けや福を招く護符の意味合いがある猪目(いのめ)模様が施されています。
鏃は、「矢の根師」という鏃を専門とする職人が作ったものが一般的。紀伊国、伊予国、越前国、丹波国などは矢の根師の活動が盛んで、技術を競い合っていたと言います。矢の根師の技術が高まると、形状や透かし模様など意匠にこだわった鏃も作られ、実用を超えて創作性が強まりました。