弓
未査定
くろうるしぬりぬえしげとうつよゆみ 黒漆塗鵺重籐強弓/ホームメイト

「強弓」(つよゆみ)とは、甚大な威力があり、使用する際にはかなり強い力を必要とする弓のこと。弦(げん)を張る際には、反りとは反対方向に弓を押し曲げなければならず、そのときに必要とした人数を「○人張り」と表し、弓の強さの度合いとされました。諸説ありますが、最大と言われた3人張りの強弓は60kg以上(速さで言えば時速216km)の威力があり、鎧兜(甲冑)の2、3領を重ねて射通したと言われています。
本弓は、「鵺重籐」(ぬえしげとう)。「鵺」(ぬえ)については不明ですが、平安時代後期の武将「源頼政」(みなもとのよりまさ)が強弓で退治したと伝えられる妖怪の「鵺」(顔は猿、胴体は狸、尾は蛇、手足は虎)にちなんでいると推測できます。つまり本弓は、鵺を退治できるくらい(3人張りくらい)威力がある強弓。
弓柄(ゆづか:握る部分)の黒漆に籐が4ヵ所巻かれた、スマートな1本です。