享保雛(きょうほうびな)とは、雛人形の一種で、江戸時代の享保年間(1716~1736年)から流行した形式の人形です。豪華に作られた衣装や小道具が特徴で、女雛は豪華な天冠、男雛の冠にも金が施されています。
雛人形は、五月人形と同様、江戸時代になってから広く家庭でも飾られるようになっていきました。
江戸時代中期になると、雛遊びが盛んになり、雛人形も豪華になっていき、高さが70cmにも及ぶ大型の享保雛も作成されました。しかし、そうした流行は倹約と反するものでもあり、1721年(享保6年)には江戸幕府によって8寸(約24cm)以上の雛人形を作ることは禁じられたのです。