はながみぶくろ
当世具足(とうせいぐそく)でみられる、胴の左脇や草摺(くさずり)の裏側に付けたポケット状の袋。主にウールなど毛織物の「羅紗」(らしゃ)や光沢感のある絹素材の「ベルベッド」で作られ、血止めの薬品や金銭などの小物を入れた。蓋が付く場合は、「笠鞐」(かさこはぜ)と「責鞐」(せめこはぜ)と呼ばれる象牙製の部品を使ってボタンのように留める。胴を構成する札(さね)と呼ばれる板にある穴に、細い糸を通して取り付けられた。高級武将は前胴の左脇に、一般武将(高級武将の部下)は前草摺(まえくさずり)の中央裏側に付けていた。