主に喉元、首まわり胸、背を保護する防具。弥生時代のあと、3世紀半ばから7世紀末頃の古墳時代の甲冑、挂甲(けいこう)・短甲(たんこう)に使用された物。身を守るための、より一層の追加装備。
大鎧や胴丸の背中、兜の後部に付いている蜻蛉十文字に結んだ紐。 兜の後頭部にある後勝鐶(こうしょうかん)、大鎧の逆板(さかいた)胴丸(一部の当世具足)の後立挙(うしろだてあげ)、腹巻の背板に打つ鐶(かん)に結び付ける物。鮮やかな色で房が付いている。胴の背中部分に付く「総角」は、装飾だけでなく袖の緒と連結すると、腕の動きを良くするなどの意味を持つ。
総角を結び付ける金属の輪。大鎧の逆板(さかいた)、胴丸(一部の当世具足)の後立挙(うしろだてあげ)、腹巻の背板に付けられる。
「小札」(こざね)という小さな板を何枚もとじ合わせて作っていた横一段を、一枚の板で作った物。これにより制作が比較的容易になり、一枚板であるため防御力が増したとされる。最上胴などに使用されている。
伊予の国(愛媛県)の甲冑士により考案された鎧の小札(こざね)の一種。左右の両端を少しだけ重ねてとじるため、従来の小札に比べ簡略化と軽量化に効果を発揮し、徒歩戦に向いた甲冑の普及に役立った。南北朝時代以降に着用された胴丸・腹巻に使用された。
当世具足の背中につけた、指物(さしもの)を立てるために取り付けられた筒。指筒(さしづつ)とも呼ぶ。木または竹で作られ、円筒形、角筒形の2種類がある。円筒形は主に旗竿、角筒形は旗竿のほか固定する必要性のある物の場合に使用された。
後胴の上部(押付板より下で、脇板の線や長側より上の部分)にある小札板の部分のこと。大鎧、胴丸においては3段、腹巻は1段または2段、当世具足では4段になっていることが一般的。
獅子(しし)・牡丹(ぼたん)・不動尊などの文様を藍や赤で染め付けた鹿の革。兜の眉庇(まびさし)や吹返(ふきかえし)、胴の肩上(わだかみ)と胸板、弦走韋(つるばしりのかわ)、蝙蝠付(こうもりづけ)、金具廻の表面など随所に使用されている。
袖の一種。どの角も直角の四角形で、大鎧、胴丸、腹巻などに付く平面的な大型の袖。古墳時代に用いられた肩甲(かたよろい)が袖の起源。鎧の肩の部分から肘にかけて覆う、上腕部を守るための防具。飛んでくる弓矢に対する楯代わりとして機能していた物。6~7段の小札で作られ、左の袖を「射向」(いむけ)、右の袖を「馬手」(めて)と呼ばれている。
小具足の臑当(すねあて)の一種。臑当の上部、膝頭を守るように付けられた鉄製の物。南北朝時代頃に流行した。
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