こちらは、日本刀Q&A「日本刀の豆知識」ページです。戦国武将のお気に入りだった名刀についてや、刀剣・日本刀を購入する際の注意点など、刀剣・日本刀にまつわる知識をQ&A形式で掲載しています。ついつい人に話したくなる豆知識が盛りだくさんの内容です。
刀剣・日本刀とは、日本国内において、玉鋼(たまはがね)を材料として古式に則った作法で作られた刀剣類のことです。形や大きさの違いから、次の8種類があります。
①直刀(ちょくとう)、②太刀(たち)、③打刀(うちがたな)、④脇差(わきざし)、⑤短刀(たんとう)、⑥剣(つるぎ)、⑦薙刀(なぎなた)、⑧槍(やり)。
全く別の物です。西洋の剣(西洋刀)は、両刃で直刀。「突き差す、叩き斬る」ことを重視していて、刀身は厚く重いのが特徴です。これに対して刀剣・日本刀は、片刃で反りが付く湾曲。「斬撃力」を重視し、一人を確実に斬り裂くことに長けています。
刀剣・日本刀の作刀で代表的な産地5ヵ所を「五箇伝(ごかでん)」と言い、刀剣・日本刀の聖地と呼ばれています。この五箇伝から、たくさんの名刀・名工が生まれ、それぞれが古刀の時代を代表する作風となっています。
①大和伝(奈良県) ②美濃伝(岐阜県)③備前伝(岡山県) ④山城伝(京都府) ⑤相州伝(神奈川県)
「忍者刀」は刀剣・日本刀です。直刀で、斬るよりも突くことに長けた刀剣・日本刀なので、突き殺されてしまいます。忍者刀を持った忍者が現れたら、ただちに逃避して下さい。
「峰打ち」は、刀身の刃がない、背の部分で打つことを言います。テレビのコントではよく見るシーンですが、実際にはあり得ないことです。刀身を返して峰の部分を相手に向けたら、殺意がないことを気付かれて逆に斬られてしまいます。しかし「逆刃刀」を使いこなす武士がいたならば、峰打ちはできたかもしれません。
現存する1番長い刀剣・日本刀は「破邪の御太刀」で、何と刀身4m66cm。重量も75kgと、とても大きいです。1859年(安政6年)に、吉田松陰ら攘夷派の志士達が、山口県の花岡八幡宮に奉納したとされています。この刀剣・日本刀で、夷(外国人)を攘(はら)おうとしていたのかと想像すると、とても恐ろしいです。
左利きの武士は存在しないとされています。武士は刀剣・日本刀を神聖化していたため、刀剣・日本刀に対する無作法は無礼とされました。なので、生まれつき左利きの場合でも、刀剣・日本刀は右手で扱わなければ無作法。左腰に差し、右手で抜くことが強制、徹底されたのです。
相撲では、土俵入りで2振の刀剣・日本刀が使用されます。それは、行事が腰に差している短刀と、太刀持ちが持つ太刀。行司が腰に差す短刀は、何と勝敗の判定に誤った際の自害用なのだそう。太刀持ちが持つのは、かつて力士が名字帯刀を許されていた身分であることを表すため。土俵を清める意味もあります。
「宗三左文字」、「へし切長谷部」、また刃文が派手な「長船光忠」の刀剣は25振も持っていて、たいへん好んだようです。
「宗三左文字」は、信長が桶狭間の戦いで今川義元を破ったときの戦利品。茎に「義元討捕彼持刀」「織田尾張守信長」と銘を打ち、大切にしていたそう。「へし切長谷部」は、驚異的な切れ味で有名。信長を怒らせた茶坊主を、この刀で棚ごとへし(押し)斬り殺したという逸話が残っています。
その名刀は「一期一振」です。「一期一振」は粟田口藤四郎吉光が作った最高傑作で、毛利輝元が持っていた物を、秀吉が一目惚れ。秀吉が欲しいと頼み込み、輝元はついに根負けして譲ったとの言われがあります。広い身幅と猪首鋒/切先から、力強さがあふれる1振。秀吉の死後、大阪夏の陣で焼け落ちた物を家康が焼きなおし、現在も御物として宮内庁で大切に保管されています。
その名刀は「ソハヤノツルキ」です。死の2日前に「太刀の鋒/切先を西に向けて置きなさい」と遺言をしたエピソードが有名な妖刀。その言葉通り、駿河の久能山東照宮に奉納され、徳川幕府による天下泰平の世が約300年も続きました。刀工名がない無銘。まとまりの良い猪首鋒/切先は、三池光世作ではないかとも言われています。
刀剣・日本刀は、日本全国の刀剣ショップや骨董店、美術商などで購入することができます。刀剣専門店のネットショップでも購入できるようですが、実際に現物を観て触れてから購入することをおすすめします。「銃砲刀剣類登録証」が付かない安価な物は、本物ではない偽物、模造品ですので、お間違えのないように。
江戸時代の定寸が2尺3寸(約70cm)なので、この長さを買い求める方が多いようです。居合をされている方は、居合練習刀を選ぶときに、ご自分の身長から選ぶ基準があります。例えば、身長170cmの方は2尺4寸~、180cmの方は2尺5寸~など。刀剣ショップの方に相談をし、しっくり合う物をお選び下さい。
拵(柄、鞘、鍔などの外装)付きの購入がおすすめです。白鞘(しらさや)だけ買い、あとから拵を作ろうと思っても、かなり高額になる恐れがあります。また、高価な物で「銃砲刀剣類登録証」が付いていても、それがコピーで偽物だったということもあり得ます。高価な物こそ、財団法人・日本美術刀剣保存協会の鑑定書付きの刀剣・日本刀を買い求めた方が良いでしょう。
刀剣・日本刀を鑑賞する場所は、大きく分けて2つあります。
ひとつは、博物館や美術館です。展示品をガラス越しに鑑賞でき「名刀」と呼ばれる高価な刀剣・日本刀を一度にたくさん観ることができます。もうひとつは、刀剣ショップや刀剣鑑賞会です。「名刀」ではないかもしれませんが、実際に本物の刀剣・日本刀に触れることが可能です。本物の重さや輝きを体感することができます。
手入れで必要な道具は、次の6点です。
① 目釘抜(めくぎぬき)、② 丁子油(ちょうじあぶら)、③ 打ち粉(うちこ)、④ 拭紙、⑤ ネル布、⑥ベンジン。
刀剣・日本刀を飾るには、刀掛けを使用すると良いでしょう。床の間などに置くタイプと壁に掛けるタイプ。また、1本掛け、2本掛け、3本掛けがあり、短刀のみを飾る短刀掛けもあります。けれども、これは一時的に保管するための道具です。拵(こしらえ)に入れたままでは錆が発生してしまうので、白鞘(しらさや)に入れて保管するのがおすすめです。
刀剣に秘められた幾多の魅力を皆様にお届けするサイト、刀剣の専門サイト・バーチャル刀剣博物館「刀剣ワールド」。こちらは、日本刀Q&A「日本刀の豆知識」のページです。「武士に左利きが存在しないのは本当なのか?」といった内容から、「実践で峰打ちをすることは不可能か?」という気になる豆知識までを多数揃えています。ついつい人に話したくなるような内容を掲載していますので、ぜひご覧下さい。刀剣の専門サイト・バーチャル刀剣博物館「刀剣ワールド」の掲載内容は、刀剣・甲冑(鎧兜)の基礎知識をはじめ、日本刀の歴史や雑学、刀剣にまつわる歴史人や合戦、名刀を生み出した名工達の紹介など盛りだくさん。刀剣に関する各種アプリゲーム、刀剣・お城川柳、四文字熟語といった楽しむコンテンツも充実。日本刀や甲冑(鎧兜)に関する様々な情報を、あらゆる角度からバーチャルの世界でお楽しみ頂けます。