日本刀コラム

長野県上田市にある蕎麦屋 刀屋

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長野県の郷土料理として有名なのが「信州そば」です。長野県の気候は、蕎麦の原料となっている蕎麦の実の栽培条件として非常に適していることから、良質な蕎麦が生産されています。長野県内には、蕎麦の実の栽培から製粉、蕎麦打ちまですべてひとつの地域で行われた蕎麦を食べられる施設もあり、様々な場所で信州そばを楽しめるのです。長野県にある有名な蕎麦処のなかでも、特に人気を博しているのが、長野県上田市にある蕎麦屋「刀屋」(かたなや)。この蕎麦屋 刀屋は、「真田太平記」の著者である文豪・「池波正太郎」(いけなみしょうたろう)が愛した名店としても有名です。ここでは、「信州上田観光協会」の公式サイトにも、おすすめの蕎麦屋として紹介されるほどの人気店である、蕎麦屋 刀屋の魅力についてご紹介します。

蕎麦屋 刀屋

蕎麦屋「刀屋」

蕎麦屋「刀屋」

長野県上田市で有名な蕎麦屋と言えば、まず最初に名前が挙がるのが、創業1961年(昭和36年)の老舗の名店「刀屋」です。

長野県上田市は、戦国武将「真田幸村」(さなだゆきむら)のゆかりの地。真田幸村親子の活躍を描き、NHK大河ドラマの原作にもなった「真田太平記」の著者である池波正太郎は、真田太平記の執筆中、何度もこの老舗蕎麦屋 刀屋に通ったと言われているのです。

池波正太郎の著書でグルメエッセイ「散歩のとき何か食べたくなって」にも、「いま、真田太平記という6年がかりの長編を週刊誌に連載しているが、そうなると、どうしても上田へは何度も足を運ぶことになってきて、刀屋の蕎麦とも、すっかりなじみになってしまった」と書かれています。

また、刀屋は、「信州上田観光協会」の案内にも、老舗の有名蕎麦屋として紹介されるほど、とても人気のある蕎麦屋なのです。

蕎麦屋 刀屋の由来は「刀鍛冶」

長野県上田市にある老舗の蕎麦屋 刀屋。この刀屋と言う店名は、先祖が刀鍛冶(かたなかじ)だったことに由来しています。刀鍛冶とは、日本刀を作刀する技術者のこと。日本刀の作刀は、平安時代に始まったとされており、日本独自の伝統工芸です。

そして、刀鍛冶と呼ばれる職人達は、数多くの名刀と称される日本刀とともに名を馳せ、現在にも受け継がれている、日本が誇る美術工芸品制作の担い手と言えます。先祖が刀鍛冶だったことが店名の由来となっている蕎麦屋 刀屋も、蕎麦打ちの技術は確かなものだと評判です。

刀屋を愛した、食通としても知られる池波正太郎も、「上田へ初めて行き、5日ほど滞在した時に刀屋の蕎麦を、これもまた初めて口にした。東京では口にすることのできぬ、本物の手打ちだ。私はまず、その蕎麦切りの手練れのほどにびっくりした。今も老主人が蕎麦を切っているが、一種の名人芸だろう」と語り、蕎麦屋 刀屋の蕎麦作りの技術を絶賛しています。

長野県の郷土料理「信州そば」

老舗の人気蕎麦屋刀屋がある長野県は、信州そばが郷土料理として、全国的にも有名です。一般的に長野県で作られた蕎麦を総称して信州そばと呼びます。

長野県は、涼しい気候で山間地が多く、蕎麦の実の栽培に大変適しているため、長野県にある数多くの畑で蕎麦が生産されているのです。「長野県信州そば組合」では、長野県内で製造された「そば粉」を40%以上配合した質の良い「干しそば」を信州そばとして認定し、1997年(平成9年)に商標登録されたロゴマークの使用を許可しています。

また、「信州そば切りの会」では、「そば粉」に長野県産の物を使用し、「つなぎ割合」を30%以下に保っている手打ち蕎麦の店を信州そば切りの店として認定。2021年(令和3年)4月時点で、65店舗が信州そば切りの店の認定を受けています。長野県上田市の蕎麦屋 刀屋もこの認定を受けており、信頼できるお店です。

信州そばの歴史

日本の歴史において、蕎麦の起源については、縄文時代にさかのぼり、蕎麦の実の栽培がされるようになったのは、古墳時代頃だとされています。そのあと、「かけそば」や「ざるそば」などの一般的な「そば切り」(麺を細く棒状に切り分けたもの。考案されるまでは、蕎麦の実と雑穀を混ぜた餅状の物だった)が広まったのは、1789年(寛政元年)に、清右衛門(せいえもん)と言う名の行商人が「信州更科蕎麦処」を開店したことが始まりとされています。

この「そば切り」発祥の地は諸説ありますが、1644年(正保元年)、「松江重頼」(まつえしげより)の編集により出版された俳諧論書「毛吹草」(けふきぐさ)のなかで記述が残されています。

そば切りは信濃国(しなののくに:現在の長野県全域)の名物。当国から始まるとあり、また、1706年(宝永3年)刊行の、「森下許六」(もりしたきょうり)による俳句集「風俗文選」にも、蕎麦切りと言えば、信濃国本山宿(もとやましゅく:長野県塩尻市)より出て、あまねく国々にもてはやされる

旧来より、長野県こそが信州そば発祥の地であるとして全国的に知られていたのです。

蕎麦屋刀屋のメニュー

盛りそば

盛りそば

信州そばが郷土料理として知られる長野県には、数多くの蕎麦屋があります。そのなかでも、特に人気を博している、上田市にある蕎麦屋 刀屋。

外観は、2階建ての建物となっており、青い瓦屋根と大きい「立て簾」(たてすだれ)が人目を引き付けています。行列ができる人気店としても知られる老舗の名店刀屋において、一番の人気メニューと言えば、「盛りそば」。

「真田の赤備え」を彷彿とさせる赤色の丸ざるに盛られた蕎麦が、食欲を誘います。蕎麦の他に、蕎麦徳利、蕎麦猪口、漬物、薬味などが付いた「つけ汁セット」で注文するのが刀屋の定番。蕎麦は、大盛りは1㎏ほどの量になり、食べきれず残してしまうお客が多いからという理由で、初めて来店したお客は、大盛りの注文はできないそうです。

また、盛りそばと肩を並べる人気を誇る刀屋のメニューが「真田そば」です。真田そばの味噌ダレは、刀屋オリジナル。この味噌ダレに浸して食べる真田そばは、その日に使う分だけの打ち立て、茹で立ての蕎麦が味わえる名物メニューとして大変な人気を博しています。

長野県には数多くの信州そば屋があり、全国各地からも多くの蕎麦愛好家が訪れますが、そのなかでも、祖先が刀鍛冶であったことに店名の由来を持つ老舗の蕎麦屋 刀屋は、毎年多くの観光客で賑わっているのです。長野県上田市を訪れた際には、ぜひ、信州そばの名店刀屋の味を堪能してみてはいかがでしょうか。

長野県上田市にある蕎麦屋 刀屋

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