「上弦の参」(じょうげんのさん)との対戦の末「炎柱」(えんばしら)の「煉󠄁獄杏寿郎」(れんごくきょうじゅろう)が「竈門炭治郎」(かまどたんじろう)の目の前で命を落とします。その遺志を継ぐ竈門炭治郎は「鬼殺隊」(きさつたい:鬼を狩る政府非公認組織)の同期である「我妻善逸」(あがつまぜんいつ)や「嘴平伊之助」(はしびらいのすけ)、そして「柱」(はしら:鬼殺隊で最も位の高い9名の剣士)達と共に他の上弦を討伐し、経験を積んでいくのです。新しい技である「ヒノカミ神楽」の戦闘への応用や痣の出現など、成長が見られるなか、ついに「鬼舞辻無惨」(きぶつじむざん)との決戦が近づきます。
無限列車
竈門炭治郎達は、次の任務として炎柱の煉󠄁獄杏寿郎と「無限列車」に乗り込みました。
しかし「下弦の壱」(かげんのいち)である鬼「魘夢」(えんむ)の罠にかかり、眠らされてしまいます。竈門炭治郎はなんとか覚醒しますが、その間に魘夢は列車全体と融合し200人の乗客を人質に取っていたのです。
ほどなく覚醒した煉󠄁獄杏寿郎は、竈門炭治郎達に車両内での戦闘配置を指示。前方を任された竈門炭治郎と嘴平伊之助は魘夢の急所を突き止め、見事討伐に成功します。
煉󠄁獄杏寿郎が乗客全員の無事を竈門炭治郎に告げると、突然2人の前に「上弦の参」(じょうげんのさん)の鬼「猗窩座」(あかざ)が登場。重症の竈門炭治郎を守ろうと応戦する煉󠄁獄杏寿郎でしたが、猗窩座の猛攻を受け致命傷を負うのです。
竈門炭治郎は必死に「日輪刀」(にちりんとう:日の光以外で唯一鬼を討伐できる武器)を投げ、猗窩座の背中を刺すものの逃げられてしまいました。
自らの死を悟った煉󠄁獄杏寿郎は、竈門炭治郎からヒノカミ神楽について質問されていたことを思い出し、生家の煉󠄁獄家に行き、ヒノカミ神楽についての手記を探すよう竈門炭治郎に言います。そして、家族への遺言と竈門炭治郎達への激励の言葉を残し、息を引き取りました。
悲しみのなか竈門炭治郎達は、もっと強くなりたいと決意するのです。
竈門炭治郎は煉󠄁獄杏寿郎の遺言を伝えるべく、煉󠄁獄家を訪問。しかし、竈門炭治郎の耳飾りを見た煉󠄁獄杏寿郎の父「煉󠄁獄槇寿郎」(れんごくしんじゅろう)は、竈門炭治郎が憎い「日の呼吸」(ひのこきゅう)の使い手だと認識し、門前払いします。
竈門炭治郎は、なんとか煉󠄁獄家に上がり、煉󠄁獄杏寿郎の弟「煉󠄁獄千寿郎」(れんごくせんじゅろう)と共に文献を調べるも、ヒノカミ神楽と日の呼吸についての手がかりは掴めず帰路につきました。
すると突如、刀鍛冶「鋼鐵塚蛍」(はがねづかほたる)が現れ、竈門炭治郎が猗窩座との戦いで日輪刀を紛失したことに激怒し追いかけてくるのでした。
ある日、「蟲柱」(むしばしら)の「胡蝶しのぶ」の蝶屋敷に、「音柱」(おとばしら)の「宇髄天元」(うずいてんげん)が訪れ、竈門炭治郎達は任務に同行することになります。
任務の内容は、先に吉原遊郭へ潜入したものの、音信不通になっている宇髄天元の妻3人を探すというものでした。
女装姿で遊郭の潜入調査を続ける竈門炭治郎達は、宇髄天元の妻達について手がかりを掴んでいきます。そして宇髄天元が捕らわれていた妻1人を救出し、嘴平伊之助が妻2人を無事に救出したのです。
その頃、竈門炭治郎は「上弦の陸」(じょうげんのろく)の「堕姫」(だき)を発見。竈門炭治郎のヒノカミ神楽と鬼化が進んだ妹・竈門禰󠄀豆子(かまどねずこ)の攻撃によって堕姫を追い詰めます。助太刀に来た宇髄天元が堕姫の頸を斬るも、なぜか倒しきれません。
すると堕姫の体から兄の「妓夫太郎」(ぎゅうたろう)が出現します。上弦の陸は2人1組で、両名の頸を同時に斬らなければ倒せない鬼だったのです。
妓夫太郎の猛攻で宇髄天元は毒を受け、さらには片腕を失くしてしまいます。しかし竈門炭治郎達は諦めず、連携を取り応戦。すると竈門炭治郎の額に謎の赤い痣が出現し、日輪刀に込める力が強まります。
ついに竈門炭治郎が妓夫太郎の頸を、そして我妻善逸と嘴平伊之助が堕姫の頸を同時に斬ることに成功。宇髄天元は毒に侵されぐったりしていたものの、竈門禰󠄀豆子の血鬼術が毒を消し去り、一命を取り留めたのです。
鬼殺隊が上弦の鬼を倒したのは、実に113年ぶりの快挙でした。
討伐成功の吉報を聞いた鬼殺隊当主「産屋敷耀哉」(うぶやしきかがや)は、運命が変わる兆しと捉え、鬼舞辻無惨を必ず自分の代で倒すと決意します。
刀鍛冶の里
吉原遊郭で再び日輪刀を折ってしまった竈門炭治郎は、自分の刀鍛冶を担当してくれる鋼鐡塚蛍に会うため、刀鍛冶の里へ向かいます。
里では「霞柱」(かすみばしら)の「時透無一郎」(ときとうむいちろう)が、訓練用の絡繰人形「縁壱零式」(よりいちぜろしき)に対峙していました。
竈門炭治郎も、里の少年「小鉄」(こてつ)に促され、その人形で訓練しますが、渾身の一撃で破壊してしまいます。
すると、なかから300年以上前の錆びた日輪刀が見つかり、鋼鐡塚蛍がその研磨を買って出たのです。
そんななか「上弦の伍」(じょうげんのご)である「玉壺」(ぎょっこ)と「上弦の肆」(じょうげんのし)の「半天狗」(はんてんぐ)が里に来襲。竈門炭治郎は時透無一郎と共に応戦します。
そして「風柱」(かぜはしら)の「不死川実弥」(しなずがわさねみ)の弟「不死川玄弥」(しなずがわげんや)も加勢。さらに「恋柱」(こいばしら)の「甘露寺蜜璃」(かんろじみつり)も合流し、里の長「鉄地河原 鉄珍」(てっちかわはら てっちん)を間一髪で救助するも、苦戦を強いられます。
すると竈門炭治郎の日輪刀に垂れた竈門禰󠄀豆子の血が爆ぜ、赤い「爆血刀」(ばっけつとう)に変化したのです。竈門炭治郎は、爆血刀で渾身のヒノカミ神楽を繰り出し反撃します。そのとき竈門炭治郎の額、そして甘露寺蜜璃の首元には謎の痣が出現していました。
玉壺は、一心不乱に刀を研ぐ鋼鐡塚蛍を攻撃しますが、鋼鐡塚蛍は研磨を止めません。そこへ顔に謎の痣が出現した時透無一郎が介入し、玉壺を討伐します。
そして竈門炭治郎は、鋼鐡塚蛍が研磨していた日輪刀を受け取り、逃げる半天狗を見事討伐。しかし敵を追い詰める間に日が昇ってしまい、竈門炭治郎は日陰に入らなかった竈門禰󠄀豆子が死んでしまったと号泣します。
ところが竈門禰󠄀豆子は日の光を克服しており、安堵するのでした。
産屋敷耀哉の館では緊急の柱合会議が行われ、鬼舞辻無惨は日の光を克服した竈門禰󠄀豆子を狙いはじめることや、鬼舞辻無惨との決戦が近づいていること、竈門炭治郎達に現れた痣の出現条件について共有されました。
そして柱以下の鬼殺隊に、柱が直々に稽古を付ける「合同強化訓練」を行うことが決まります。竈門炭治郎達は柱のもとを巡り、他の隊士らに混ざり特訓を受けました。
宇髄天元からは基礎体力向上、甘露寺蜜璃からは柔軟、時透無一郎からは高速移動の特訓。さらに「蛇柱」(へびばしら)の「伊黒小芭内」(いぐろおばない)からは太刀筋矯正、不死川実弥からは打ち込みの特訓を受けます。
最後は「岩柱」(いわばしら)である「悲鳴嶼行冥」(ひめじまぎょうめい)による筋力強化の特訓でした。竈門炭治郎達は「反復動作」を会得するなど、成果を上げるのです。
その頃、場所を隠していたはずの産屋敷耀哉の館に、鬼舞辻無惨が襲来。産屋敷耀哉は鬼舞辻無惨を巻き込んで、決死の思いで自爆します。
しかし、鬼舞辻無惨は怪我を負うも再生し、そこに鬼でありながら鬼舞辻無惨を倒すことを掲げた女性「珠世」(たまよ)が現れ、人間に戻す薬を鬼舞辻無惨の体に吸収させました。
柱全員と竈門炭治郎達は、すぐさま産屋敷耀哉の館に集結するものの、鬼舞辻無惨の力により、根城である「無限城」へと転移させられます。
一同は、ついに最終決戦へと駒を進めることになるのです。