五月人形の基礎知識

五月人形の処分方法を徹底解説!

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男の子の健やかな成長を願って、「端午の節句」(たんごのせっく)のお祝いに飾られる「五月人形」。生後0歳で迎える「初節句」から毎年飾られる節句人形ですが、子どもの年齢が上がるにつれて、端午の節句を盛大にはお祝いしなくなり、飾る機会が少なくなってしまうのが実情。その結果、家庭によっては五月人形を手放すことを考えるようになりますが、その適切な処分方法やタイミングについて、悩んでいる人も多いのではないでしょうか。いくつかある五月人形の処分方法についてご説明すると共に、大切な五月人形をそのまま処分するのは憚られる(はばかられる)という人のために、五月人形の供養方法についても解説します。

五月人形は何歳まで飾る?

五月人形をいつから飾るのか、そしていつ処分するのかということは、現代においては明確に決められていませんが、時代をさかのぼって見てみると、人生の節目となる年齢で五月人形を手放していたことが分かります。

例えば、江戸時代には数え年7歳の頃に、五月人形を神社に奉納する風習がありました。「7つ前は神のうち」という言葉が示すように、当時の日本では、子どもは7歳になるまで神様からお預かりしていると考えられており、無事に成長できたことへの感謝の証しとして、毎年「端午の節句」(たんごのせっく)に飾っていた五月人形を神様に奉納していたのです。

元服

元服

また、現代の成人式に当たる「元服」(げんぷく)を迎えた年齢のタイミングで、五月人形を手放していた風習もありました。

現代で成人となるのは20歳ですが、奈良時代以降に始まった元服の儀式は、およそ11~16歳の間に行われていたのが一般的。当時の男の子は現代よりも幼い年齢で、「一人前の男性」として認められていたのです。

そのため、元服を終えて立派な大人になったとされるタイミングで、五月人形を手放すケースも多く見られていました。

この7歳、もしくは元服の年齢まで五月人形を飾る風習は、地域によって現代まで根付いているところもあります。しかし、現代では厳密な決まりがないことから、子どもが五月人形に興味を示さなくなった、あるいは、自立して一人暮らしをするために家を出たときなど、五月人形を処分するタイミングは各家庭によって様々です。

五月人形は、子どもの災難や厄を引き受けてくれる「身代わり」の役割もあるため、成人する20歳まで飾るのが理想ですが、子どもの意見も配慮しつつ、それぞれの事情に合わせたタイミングで処分するようにしましょう。

五月人形を可燃ゴミ・不燃ゴミ・粗大ゴミとして処分する

五月人形を手放すのには、ゴミに出して処分する方法がありますが、多くの五月人形には燃やせない金属類が含まれているため、自身で分解した部品を「可燃ゴミ」と「不燃ゴミ」に分別が必要です。

また、サイズが大きかったり、ガラスケースに収納されていたりして、自分での分別が難しい場合には、「粗大ゴミ」として出す方法もあります。粗大ゴミは、多くの自治体で事前に収集の申込みが必要。申込み後は、スーパーやコンビニなど、取扱いのある店舗で購入した「粗大ゴミ処理券」を五月人形に貼り付けて、指定された場所に出しておくのが一般的な手順です。

しかし、ゴミの出し方などについては各自治体で異なる部分もあるため、五月人形をゴミとして処分したい場合は、詳細を確認しておくことが大切です。

なお、五月人形をゴミとして出す前に自分で供養したいときには、汚れなどを落として綺麗に掃除し、髪を束ねてお清めの塩を振りかけ、白い布などで包んでおきましょう。

五月人形を買取専門店で処分する

ガラスケースに入れられた五月人形

ガラスケースに入れられた五月人形

思い出が詰まった五月人形を、ゴミとして処分するのは気が引けるという人には、リサイクルショップなどの「買取専門店」で引き取って貰う方法がオススメ。

子どもの身代わりであり、無病息災の願いを込めて飾られていた五月人形は、多くの家庭で大切に保管されているとは思いますが、買取の査定の前には、五月人形自体はもちろん、ガラスケースが付属されている場合は、そちらについても改めて掃除をしておくことも重要。そうすることで、より高値で買い取って貰える可能性が高まります。

買取専門店のなかには、自分で店舗に持ち込むだけでなく、送られてきた段ボールなどに五月人形を入れて、宅配便で送り返す「宅配買取」や、家に来て貰って査定して貰う「出張買取」などの方法を採っているお店もあるので、自身の都合に合わせた方法を活用しましょう。

五月人形を寄付して処分する

きちんと保管されており、まだまだ飾ることができる綺麗な状態の五月人形であれば、単に処分するのではなく、「寄付」も選択肢に入れることが可能。

「児童福祉施設」のなかには、子ども達と一緒に端午の節句をお祝いするため、五月人形を必要としているところもあり、また、海外の途上国を支援するため、学校や自治体、病院などに送る物資のひとつとして、五月人形など日本の節句人形を送っている団体もあります。

五月人形を寄付することは、長年所有していたことで、愛着が湧いている五月人形を処分してしまうのは忍びないと感じる人にオススメな方法です。子どもの成長を見守ってくれた大切な五月人形が、国境を越えてたくさんの子ども達を笑顔にしているのであれば、五月人形の持ち主にとっても嬉しいことなのではないでしょうか。

五月人形を「お下がりにする」という方法で処分するのは?

前述した通り、五月人形は子どもに降りかかる災難を引き受ける身代わりです。そのため、他に兄弟がいたとしても、また、父親が子どもの頃に飾っていた五月人形であったとしても、「お下がり」として譲ることは、あまりオススメしません。

お下がりにしてしまうと、五月人形そのものだけでなく、五月人形が引き受けた災難や厄までも、一緒に受け継ぐことになると考えられているからです。

言ってみれば、五月人形は子どもにとっての「お守り」。神社やお寺で頂けるお守りも、兄弟や親子の間で共有しないことを考えると、可能であれば五月人形をお下がりにせず、それぞれに自分用の五月人形があることが理想だと言えます。

五月人形は「処分」ではなく「供養」しましょう

人形供養

人形供養

人の形を象って(かたどって)作られる「人形」には、「魂が宿る」と考える人もいます。

また、長い間子どもの身代わりとなり、その成長を見守ってくれていた五月人形を処分するのに躊躇してしまう人も多くいるのではないでしょうか。

そんな人々にオススメしたい五月人形を手放す方法は、「処分」ではなく、神社やお寺などで「供養」して頂く方法です。

寺社で読経して頂いたあと、「お焚き上げ」(おたきあげ)を行うことで、子どもの厄を引き受けてくれた五月人形から魂が抜け、安らかな眠りにつくことができると考えられています。

このような人形供養を行っている寺社は全国に遍在しており、なかには年に一度、「人形供養祭」を大規模に開催しているところもあるのです。

寺社で正式な供養をお願いすることは、遠方に住んでいるなど、人によってはなかなか大変なことかもしれません。どのような処分方法や供養を選ぶにしても、子どもの身代わりになってくれていた五月人形への労いと、感謝の気持ちを込めることが大切です。

「五月人形とは」YouTube動画

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端午の節句の由来と五月人形

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現代では男の子が誕生すると、名の知られた武将達所用の甲冑を模した「五月人形」を兜や太刀などと共に、「端午の節句」(こどもの日)に飾る風習があります。現代でも「年中行事」のひとつとしてお祝いされる端午の節句ですが、そもそも端午の節句の始まりは、どのようなことに由来しているのでしょうか。時代と共に変化してきた端午の節句について、過去にさかのぼってその変遷を見ていくと共に、端午の節句と五月人形の関係についてもご説明します。

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五月人形の気になる「いつから?」にお答え

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五月人形は誰が買う?地域差や注意点も解説

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五月人形のお下がりがダメな理由

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男の子が生まれると、「端午の節句」(たんごのせっく)のお祝いに贈られることが多い「五月人形」。しかし、すでに男の子の兄弟が他にいる次男や三男であったり、父親の五月人形が残っていたりする場合、「お下がりの物で良いのでは?」と考える両親や祖父母もいるのではないでしょうか。しかし、五月人形などの「節句人形」は基本的に、お下がりの物を用いることは良くないとされているのです。五月人形のお下がりがダメな理由について、様々な側面から解説します。

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五月人形の飾り方と飾る場所

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