写真に残す

コスプレ写真の加工

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憧れのキャラクターになりきるためのコスプレは、衣装作りから始まり、メイクやポージングを研究して写真撮影に臨むという、多くの過程を経ることで完成します。しかし、そこで終わってしまうのはもったいないこと。コスプレ写真をさらに美しく完成させるためには、撮影時だけでなく、撮影が終わったあとの「工夫」がなくてはならないのです。その「工夫」とは、写真を加工する「レタッチ」と呼ばれる作業。ここでは、マンガやアニメなどの2次元キャラクターや、実在した戦国武将などをコスプレで表現するために、必要不可欠とも言えるレタッチのテクニックを解説します。

レタッチで表現の幅を広げよう

レタッチ

レタッチ

「レタッチ」とは、カメラで撮りっぱなしの状態から、写真に写った粗(あら)を修正したり、創り出したい表現イメージに、より近付けたりするために行なう加工作業のことです。

レタッチには、これまではパソコンの写真用編集ソフトを用いられてきましたが、最近では、スマートフォンなどで加工できるアプリも多く提供されており、より簡単にレタッチを行なえるようになっています。

レタッチを料理で例えると、撮影した写真のデータは、言わば「ひと皿の料理」。衣装やメイクなど、様々な素材を駆使して、ひとつの料理を作り上げますが、それだけではお客さんには出せません。お客さんの心をつかむために、最後に美しく盛り付けをします。

コスプレの場合も同じことで、衣装やメイクといった素材を使いこなして写真を撮影したあと、最後にひと手間を掛けてレタッチを行ない、美しさのための最終仕上げをするのです。

レタッチの考え方

レタッチ用の画像編集ソフトを使えば、画像を合成したり、簡単な修正をしたりするなど、多種多様な加工を行なうことが可能。レタッチソフトは、原形をとどめないほどの加工もできてしまう魔法のようなツールですが、使いすぎにはご注意。

写真加工をあまりしたことがない人がやりすぎると、生身の人間ではありえない質感や、背景のラインが不自然にゆがんでしまうなどの失敗が起き、結果的に残念な仕上がりとなってしまうこともあるからです。そのため、まずは、しみやしわの消去や瞳の色の変更、明暗の調整などから始めましょう。

レタッチは、写真の加工が一般的でなかったひと昔前には、自分の本当の姿をごまかすための手段のように揶揄されることがありました。

しかし、加工が当たり前になった現在では、加工をしない写真は、逆に手抜きだと言われることがあるくらいに、考え方も変わってきています。

コスプレとは、自分を素材にして愛するキャラクターを表現すること。そのためレタッチは、その人の考え方が投影される作業であるとも言えます。2次元キャラに近付けるために、足を細くしたり長くしたり、顔の輪郭を変えたりしたとしても、表現自体はその人の自由。

レタッチは便利な機能ですが、あまりやりすぎてしまうと、コスプレイベントなどでは、実物とのギャップに少し驚かれてしまうかもしれません。

レタッチソフトでできることとは

コスプレ写真におけるレタッチの意義をご説明したところで、次に知って頂きたいのが、具体的にレタッチソフトで行なえる機能。

レタッチソフトにも様々な種類がありますが、ここでのツール名は、レタッチソフトの中でも特に使用者が多い、「Photoshop」(フォトショップ)における名称を主に用いてご説明します。

  1. ピンポイントのぼかしや色味の調整

    背景のぼかし

    背景のぼかし

    レタッチソフトを使えば、実際には存在しない色調にしたり、全体のコントラストを調節したりすることが可能。これによって、写真をぐんと印象的にします。

    カメラに備わっている機能でも、手軽に「ぼかし」を使った撮影ができますが、さらにピンポイントでぼかしを入れたいという場合にも、レタッチソフトを用いることが可能。

    背景を大きくぼかすことで、写真を観た人の視線を、コスプレイヤーに集中させられるため、効果的に使いたい機能です。

  2. 構図のバランスを整える

    トリミング

    トリミング

    撮影するときには、最適な構図を狙っていたつもりでも、画面上で見ると意外とバランスが気になることがよくあります。

    レタッチソフトでは、撮影後の加工時に、構図のバランスを調整するため、写真の一部を切り取ることが可能。この機能は「トリミング」と言い、撮影時には、レタッチソフトでトリミングすることを見越しておくことが大切。

    広く撮影しておく分には、いくらでもトリミングが可能なため、最適な構図だけではなく、広めの構図でも撮影しておきましょう。

  3. 写り込んでしまった不要物を消す

    不要物の除去

    不要物の除去

    被写体であるコスプレイヤーに気を取られてしまい、意外に見落としがちなのが、誰かの荷物や捨てられていたゴミ、ポスター、看板など、背景に写り込んでしまった不要物。そして、カメラのレンズ交換などの際、画像センサ上に小さなホコリが映り込んでしまうこともあります。

    このような不要物を消したいときには、「塗りつぶしツール」、「コピースタンプツール」を使えば、不自然にならずに取り除くことが可能です。

    また、しみや皺(しわ)、ホクロの消去、肌のツヤやハリを出すなどの補整は、コスプレ写真には定番の機能。コスプレ写真では、生身の人間らしさではなく、陶器のような肌であることがその神髄とも言えるので、リアルさは残しながらも、不要物は消去します。

  4. 色味や明暗の変更

    色調の補正

    色調の補正

    「作品」とも言えるコスプレイヤーの写真では、色味も非常に重要なポイント。そのため、レタッチソフトで色調を補整して、雰囲気を変えることがあります。

    例えば、武将コスプレイヤーのなかには、小道具としての刀剣を自作し、刃文など細部に至るまで再現している人もいるかもしれません。しかし、コスプレ写真の撮影の際に、「白飛び」や「黒つぶれ」などが起こると、刀剣に施したせっかくのこだわりが映し出されなくなってしまうことも。

    これは、明暗の差が上手く表現できなかったことが、その原因のひとつ。そこで色調を補整することで、本来の明るさに近付けるのです。

    また、レタッチソフトでは、照明による色被り(特定色にかたよること)など、ホワイトバランスも調整することができます。

  5. 全体的な印象を変える

    トイカメラ風にレタッチ

    トイカメラ風にレタッチ

    レタッチソフトでは、トイカメラ風やフィルム風など、フィルターをかけることによって、写真の風合いを変更したり、オシャレな雰囲気を演出したりします。

    また、本来は現実的でない状況も、複数の画像を重ね合わせて1枚の画像にすることで、実現することが可能。

    飛行機を飛ばしてみたり、被写体の大きさを変えてみたり、背景を外国や宇宙にすることも簡単にできるのです。

    こういった機能を使いこなせば、ファンタジーであるコスプレの世界を、よりリアルに実現できますね。

レタッチの本質とは

コスプレイヤー

コスプレイヤー

2次元キャラをベースに行なわれることが多いコスプレ。また、武将コスプレ甲冑コスプレの場合でも、史実に基づく戦国武将の姿を再現するだけでなく、武将を題材にしたアニメやマンガをモチーフにしているコスプレイヤーもいます。

そのため、コスプレ写真では、陶器のように滑らかで、艶のある質感の肌が好まれているのです。

しかし、どんなに気を遣ってメイクをしても、撮影後にデータをチェックしてみると、意外に肌荒れがあることに気付くもの。そのような場合でも、レタッチソフトで部分補整を施せば、美しい肌に加工することが可能なのです。

また、逆光で撮影した場合は、少し顔が暗くなることがありますが、そんなときは、明暗を緩やかにする「トーンカーブ」が便利。この際に気を付けておきたいのは、トーンカーブでの調節を、最低限に留めること。もともとの肌の質感が失われるほどにやりすぎてしまうと、せっかくのオリジナルの良さが消えてしまうことに繋がるのです。

レタッチは、見せたくない物の修正や加工のために行なうと思われがちですが、その本当の目的は、「見せたい物の魅力を際立たせる」ということにあります。そのために、しみやごみなど、魅力を高めることを邪魔する要素を、レタッチで修正していくのです。

レタッチソフトによる写真の加工は、際限なくできてしまうため、一度手を入れ始めると、「どこまでレタッチするのが良いのだろうか」という疑問が湧くことがあります。

そんなときは、コスプレ写真の中で、フォーカスしたい魅力がどこにあるのか、そしてそれを引き出すためにレタッチを行なう、という大前提を思い出して、作業に取り組んでいきましょう。

肌のレタッチ

レタッチソフトを用いて作業するときに、最も注意しなければならないのは、元画像に直接処理を施すことはせず、一定の作業を行なうたびに新規レイヤーを設定し、その中でレタッチを行なうこと。

作業を誤ってしまったり、完成イメージを大幅に変えることになったりした場合でも、元画像を残しておけば、もとに戻すことが可能だからです。

しかし、レタッチで加工した箇所ごとに、新規レイヤーを設定することは不要。レイヤーをあまりにも多く作ってしまうと、自分が今作業しているレイヤーが、どれなのかを把握することが難しくなり、同じ作業を繰り返してしまったり、処理をし直したいレイヤーを探し出すために、余計な時間を掛けてしまったりすることになるからです。

こうした事態を防ぐために、レイヤーを整理したうえで、フォルダにまとめておくことを心がけましょう。

Photoshopを使ってみよう

写真表現にこだわるコスプレイヤーやカメラマンは、撮影した写真のレタッチをパソコンの写真編集ソフトで行なっています。

その中で最もよく使われているのがPhotoshop(フォトショップ)。その他にも、Chrome(クローム)のブラウザ上でも画像編集ができるフリーソフト「GIMP」(ギンプ/ジンプ)や、ポートレートに特化した「Lightroom」(ライトルーム)などもよく使われているので、自分にとって使いやすいソフトを選びましょう。

Photoshopの使える機能

トーンカーブ

トーンカーブの一例

トーンカーブの一例

凸凹に見える肌を毛穴がないように見せたいときなど、美肌調整の際に何かと使えるトーンカーブ。

彩度を上げて肌や歯を白くしようとすると暗くなってしまうので、トーンカーブで明るさの調整をして、自然な美しさを表現します。

トーンカーブを用いれば、とても美しく仕上がるため、すべてを修正したくなりますが、やりすぎは禁物。顔の筋肉の流れによる凸凹を、誤って色ムラであると捉えてしまうことがあり、それによって被写体全体の骨格などを変えてしまっては、台無しになるからです。

また、Photoshopで肌のレタッチを行なうときには、画像を拡大して作業を行なうため、全体を俯瞰で見ることができず、細かい部分ばかり修正しようとしてしまいます。その結果、レタッチの目的とは逆に、ムラやくすみが出現してしまったということにもなりかねないため、作業中は、全体のバランスを細かく確認しながら、少しずつ修正するようにしましょう。

くすみやムラができてしまったら、トーンカーブを用いた調整が再度必要になります。しみやホクロ等を消去していく作業と、自然な質感を保つためのレタッチ作業を交互に行ないつつ、バランスを取ることが大切です。

コピースタンプツール

コピースタンプツール

コピースタンプツール

どうしても目立ってしまうホクロや、吹き出物などを消去したいときには、コピースタンプツールを用います。

消去したい物の付近にある、同じ色の箇所をコピーして貼り付けると、消去だけでなく、自然な素材感や質感で表現することが可能。

さらには、唇のカサカサ感や縦皺など、荒れているように見える場合も、コピースタンプツールが有効です。

トーンカーブでも修正できますが、コピースタンプツールのほうが、簡単に、そして迅速に処理が行なえます。

スポット修復ブラシツール

スポット修復ブラシツール

スポット修復ブラシツール

皺などの「線」や、ハイライトに見える部分に役立つのが「スポット修復ブラシツール」です。

コピースタンプツールと同じく、修正したい箇所を覆うようにブラシで重ねると、自動で修復して貼り付けが行なわれるため、非常に便利。

また、このツールは、質感を自動計測して繋ぎ合わせてくれるため、少し広めに塗ると自然な感じに仕上がります。

焼き込み、覆い焼きツール

覆い焼き・焼きこみツール

覆い焼き・焼きこみツール

部分的に明るくしたり、暗くしたりすることができるのが「覆い焼き・焼きこみツール」。

明るく白っぽくするのが「覆い焼き」、暗く濃くするのが「焼き込み」です。指定箇所をドラッグするだけで、調整が可能。

例えば、白目部分をきれいな白に、瞳の色をキリッと濃くするだけでも、人物の存在感を際立たせることができるのです。

また、このツールを用いて、暗めの色を濃くしてくっきりとさせると、写真全体が引き締まった印象になり、アートな写真になります。

乗算

乗算でチークを入れる

乗算でチークを入れる

色の重なり感を表現したいときや、影の部分をより強調したいときに使えるツールが「乗算」(じょうさん)。絵の具を混ぜるが如く、上レイヤーと下レイヤーを混ぜ、新たな色を作ります。下レイヤーが透けるように見えるので、合成感が出ず、自然な色合いとなるのです。

また、乗算を使えば、細かい画像補整も自然にできます。例えば、チークを入れるときは、「スポイトツール」で頬の色を拾い、ぼかしを効かせられる「ブラシツール」を選択。頬にトントンと色を載せていきます。

そして、チークのレイヤーの描画モードを「乗算」に変え、最後に、顔からはみ出たところを、消しゴムツールで削除したら完成です。

手軽にできる万能加工アプリ

パソコン初心者や家にパソコンがない方は、スマートフォン向けのアプリを使えば、気軽に写真加工や修正を行なえます。

スマートフォンの画像編集アプリを用いる利点は、いつでも手元に置いておけるため、撮影後はもちろん、撮影中にも、明度や色調などを調整したり、フィルター加工などの簡単なレタッチ処理を施したりすることが可能なので、撮影の合間にでもSNSなどに、すぐにアップできます。

スマートフォンで使える写真加工のアプリの中でも特にコスプレイヤーに人気があるのは、目を大きくして肌を美しく、そして顔の輪郭を細くシャープにできる「Beauty Plus」(ビューティー・プラス)。

また、明暗の調節や色調補整が可能な「Snapseed」(スナップシード)は、写真の質感を大きく変えられるフィルターの種類が豊富に揃っています。

そして、Photoshopと同等とも言えるぐらいに高度な加工を施せるアプリが、「Adobe Photoshop Fix」(アドビフォトショップフィックス)です。写真の中心部から周辺部に掛けて、少しずつ光量を減らせる「周辺減光」(ビネット)や、体形や顔の輪郭などの補整ができる「ゆがみツール」など、様々な機能が備わっています。

これらの他にも、細部にまでこだわって加工や編集ができるレタッチ用のアプリは様々あるので、いろいろと試してみましょう。

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