小道具について

コスプレ用の日本刀(小道具)の作り方

文字サイズ

日本刀を擬人化したゲームなどがきっかけとなり、刀剣女子の登場など、日本刀の認識度が高まった影響もあって、武士コスプレや甲冑コスプレといった和装系コスプレ、さらには女剣士などのコスチュームに欠かせない小道具のひとつとなった日本刀。コスプレイベントや撮影用に、プラスチック製の模造刀を購入して利用する方法もありますが、コスプレイヤーなら、お気に入りのコスチュームに合わせて、オリジナルデザインの日本刀を作ってみたい人も多いのではないでしょうか。
「日本刀を作るなんて難しそう」という声が聞こえてきそうですが、やってみると意外にスムーズにできてしまうもの。そこで今回は、安価な材料で手軽に挑戦できる、小道具としての日本刀の作り方をご紹介します。

掲載内容の一部はコスプレイヤーYouTuberギョクヨガ様より承諾頂いたサイト動画を参考に制作しております。

道具と材料を揃えよう

日本刀を作るためには、まずは道具と材料を揃えることが必要です。

日本刀制作に用いる道具は、購入する必要のないくらい身近にある物がほとんど。日本刀の大部分を占める「刀身」(とうしん)は工作用紙、また「」(さや)「」(つか)などのパーツ類に用いる材料も、安価な「COSボード」(シーオーエスボード:造形用ボード)で対応できます。

「失敗しても作り直せば良い」と、気軽な気持ちで揃えられる材料ばかりです。

道具

グルーガン

グルーガン

  1. 筆記用具
  2. ハサミ
  3. カッターナイフ
  4. カッターマット(ダンボールなどでも代用可)
  5. ライター
  6. 瞬間接着剤
  7. 瞬間接着剤硬化スプレー
  8. 木工用ボンド(下地用)
  9. ハケ
  10. グルーガン(樹脂製スティックを熱で溶かし、スティックを再度固める接着剤/100円ショップ等で購入可能)
  11. 塗装前下地材(木工用ボンドや地塗り剤のジェッソでも代用可能)
  12. 塗装用スプレー
  13. マスキングテープ

材料

  1. 工作用紙(A3)
  2. COSボード、またはライオンボード(コスプレ造形用のやわらかいボード素材)
  3. 園芸用支柱
  4. 平紐(柄紐用)

道具と材料を揃えたら、日本刀を作ろう

作り方

刀身とパーツ類

刀身とパーツ類

  1. 工作用紙で刃の形を切り出す

    工作用紙1枚では、刀身の長さに足りないため、複数の工作用紙を糊で貼り合わせて、刀身に合う工作用紙を作成。

    貼り合わせた工作用紙に、刃の型紙を合わせて刃の形をマーキングし、カッターナイフで切り出します。

  2. パーツ類の切り出し

    COSボード、もしくはライオンボードからパーツをひと通り切り出します。バスマットのような感触で、自由に曲げることが可能。

    ここでは型紙を使って、「」(つば)、「柄」(つか)、「」(はばき)、「鞘」(さや)などのパーツ類を切り出していきます。

  3. 刃を作る

    パーツ類を切り出したら準備終了。ここから刃を作っていきます。

    芯として使うのは、園芸で支柱などに用いられる、直径10mm程度の棒。これを型紙の反りに合わせて手で曲げていきますが、そのままでは曲がりにくいため、カッターナイフなどで表面の皮を剥がしておきましょう。そして、②の工程で切り出した工作用紙の刃2枚のうちの1枚に、園芸用の棒を、隙間を埋めるようにしながらグルーガンで接着。これにもう1枚の刃を、同じくグルーガンで貼り付けます。
    刃を作る1
    刃先を貼り合わせる際には、グルーガンではなくボンドを用いることがポイント。このとき、工作用紙の切れ端を使って貼り合わせていくと上手くいきます。さらに、刃先に瞬間接着剤を塗っておけば、刃先の補強が可能です。
    刃を作る2

  4. パーツを接着し、組み立てる

    ここからは、COSボードを切り出して作った細かなパーツを接着剤で貼り付けていく作業です。

    まず、鍔の内側にカッターナイフで穴を切り抜き、そこに刀身を通していきます。

    次に作るのは、日本刀の持ち手となる柄。柄を作る際の接着に使用するのは、瞬間接着剤と早く硬化させる効果がある瞬間接着剤硬化スプレーです。

    また、鍔を貼り付けた刀身と柄を接着するときには、柄の端にグルーガンを大量に塗ります。このときには、まだ柄の中がスカスカのままの状態。そのため、電熱のコンロなどで溶かしたグルースティックの液体を流し込み、柄の芯を作ります。

    続いて「縁頭」(ふちがしら)と呼ばれる細かなパーツを、柄の上下の端に貼り付けていきますが、これに用いるのは瞬間接着剤です。

    そして、鍔と柄の頭に、グルーガンで模様を描きます。その際、色付きのグルースティックを用いてランダムに塗り付けることが、それらしい模様に見せるコツ。ここで組み立て作業が完了です。

  5. 塗装する

    ここではまず、全体に塗装下地材を塗ります。これを塗ることで塗装のノリが良くなり、塗装後の剥がれや割れを抑えることが可能。下地材が乾いたら、ベースカラーとして黒色などのラッカースプレーを用いて、全体を塗りつぶしていきます。

    さらに、刃を銀色のラッカースプレーで塗りますが、柄と刀身の境目となる部分をマスキングテープで保護するようにしましょう。ラッカースプレーは、ホームセンターなどで売られている安価な物で十分。

    そして、エアブラシを使い、刃の表面に刃文を作っていきます。また、塗装に用いる塗料は、プラモデル用の物もオススメです。

    鎺など残りの細かい部分には、筆で模型用塗料を塗っていきます。塗るときのコツは、筆に塗料を取ったあとに、ボロ布などである程度こすり取り、擦れた状態にして塗っていくこと。ベースの黒が残って使い込んだ雰囲気が出て味わいが醸し出されます。

  6. 紐を巻く

    柄に柄糸(平紐)を巻きます。柄巻には色々な方法がありますが、ここではコスプレや模造刀で最も用いられる「諸捻巻」(もろひねりまき)という巻き方をご紹介します。

    「諸捻巻」の巻き方

    「諸捻巻」の巻き方

    1) 3mくらいの柄糸を用意して、柄糸の半分のところに、柄の中心が来るようにする
    2) 柄の裏で、紐を巻き込むようにして半捻りする
    3) さらに柄の裏で、図のように紐を巻き込むようにして半捻りする
    4) 柄の表側も同じ要領で巻く
    5) ひねり箇所の上下を交互に巻く
    6) あとは同じ要領を繰り返して巻く
    7) 柄の表側が巻けた状態
    8) 巻き終わったら端をハサミで切り、グルーガンで貼り付ける
    柄巻きの種類
    「諸捻巻」以外にも、柄巻きには様々な種類があります。

    平巻
    (ひらまき)
    捻ったりつまんだりせず、糸の幅のまま平坦に巻く。
    諸撮巻
    (もろつまみまき)
    上下の糸を共につまんで巻く方法。見た目が美しいのが特徴で、美術品としての日本刀は、その多くがこの巻き方を用いる。
    諸捻巻
    (もろひねりまき)
    下の糸をひねり、上に来る糸をつまむ。握り具合が良いことが特徴。
    蛇腹糸組上巻
    (じゃばらいとくみあげまき)
    左右で縒り(より)の違う糸を2本使い、同時に組み上げて巻く。
  7. 鞘を作る

    日本刀本体ができたら、最後に鞘を作ります。COSボードで、刀身が収まる寸法のパーツを2枚用意。その端同士を瞬間接着剤で接着します。平たくなっているため、曲げやすくなるようにドライヤーなどで熱を加え、筒状にしていきましょう。そして、反対側の端も接着し、「鯉口」(こいくち:鞘の口の部分)や「栗方」(くりがた:下緒[さげお]を通す穴)などを取り付けます。

    鞘の塗装は、刀身と同じ手順です。全体に塗装下地材を塗ったあと、ベースカラーになる黒色などのラッカースプレーで塗装します。

    日本刀には「太刀」(たち)や「打刀」(うちがたな)などの種類があり、鞘は、それぞれの種類で異なる反りなどの形状に合わせて作られている刀装具です。

  8. 下緒を結ぶ

    下緒

    下緒

    最後に、日本刀の鞘に装着する下緒を結びます。もともと下緒は、刃長が2尺(約60cm)以上ある太刀を、腰から吊るして携帯するために使われており、「太刀緒」(たちお)とも呼ばれていました。

    しかし室町時代以降、日本刀の主流が、太刀から打刀に変化するにつれ、下緒は、鞘を腰帯に結んでおく機能を果たすようになります。腰帯に鞘をくくり付けておくことで、帯刀(たいとう)している日本刀を奪われることを防いだり、日本刀を抜いた際、鞘が抜け落ちたりしないようにしていたのです。

    一方で下緒は、多種多様な色で染めたり、何色もの糸を用いて文様を織り込んだりした組紐を用いて、装飾性の高い美術品としても、注目を集めていました。昔の下緒のなかには、絹や鹿の皮が用いられるなど、高価な素材も多く使われていたのです。

    日本刀において欠かせない要素のひとつである下緒は、まさに日本の伝統美を受け継ぐ芸術品。コスプレ造形のための日本刀に用いる下緒には、もちろん高価な材料は不要ですが、本格的な結び方を覚えておくと、装飾的な美しさを引き立ててくれるでしょう。

下緒の主な結び方

下緒の主だった結び方にはいろいろな種類がありますが、なかでも代表的な結び方は、「正式結び」(せいしきむすび:蝶結び[ちょうむすび]とも呼ばれる)と「大名結び」(だいみょうむすび:浪人結び[ろうにんむすび]とも呼ばれる)です。

正式結びは、下緒を結んだ輪が、鯉口側の片方のみになるようにした結び方。江戸時代には、これが正式な下緒の結び方とされていました。

見栄えが良いということと、下緒の端を引けば、すぐに結び目を解くことができるため、実用面でも好都合の結び方だったのです。

そして大名結びは、正式結びとは逆に、下緒の結び輪が両方にできるようにした結び方。しかし、解いたあとに改めて下緒を結び直さなければならないことから、実用的ではありませんでした。そのため、日本刀を飾るときによく用いられています。大名結びが、浪人結びとも呼ばれる理由はここにあり、「浪人は、日本刀を腰に差すことも、ましてや使うこともないだろうから、実用性よりも見栄えが良い結び方を選ぶだろう」と、からかわれていたからです。

「正式結び」の結び方

正式結び1

1)鞘に二重のままの下緒を1周巻き付け、折って矢印の方向に通し、輪を作る
2)紐を返して、反対側に廻す
3)反対側も同じように輪を作る

正式結び2

4)余った部分を折って、2つの輪に通す
5)しっかりと締めて整えて完成

その他の結び方

熨斗結び
(のしむすび)
下緒を栗形に通したあとにひと巻きのみ結び、鞘に沿って直線に伸ばし、「鞘尻」(さやじり)の付近で鞘にひと巻きした結び方。結んだ下緒が乱れず、解くことも簡単なため、実用に適している。
太刀結び
(たちむすび)
太刀の「足緒」(あしお)に太刀緒を通してから、鞘に結び輪が、その両方にできるように結ぶ方法。
巻結び
(まきむすび)
下緒を栗形に通したあと、鞘に巻き付けてその端を固く結び止める方法。
茗荷結び
(みょうがむすび)
下緒の端が、ばらばらにならないように、端をまとめるようにした結び方。

刀や剣のおもちゃを加工する

おもちゃの刀

おもちゃの刀

コスプレ用の日本刀を工作用紙で一から作ることが難しい場合は、刀や剣のおもちゃを活用して作ることも可能です。

例えば100円ショップでは、忍者刀など子供用に作られた刀のおもちゃが販売されています。おもちゃなので、材質はやわらかい素材であるプラスチックやスポンジ。プラスチックの剣は、スプレーやニスで塗装することで高級感のある仕上がりにすることもできます。

刀を2本用意し分解して組み合わせれば、コスプレしたいキャラの刀に合わせてサイズを調整することも可能。

剣のおもちゃも作り方次第で、撮影で使用しても気にならないレベルに加工できるのです。

刀剣写真・日本刀画像刀剣写真・日本刀画像
刀の種類、鑑定区分など、様々な検索方法で、日本刀が検索できます。

コスプレ用の日本刀(小道具)の作り方

コスプレ用の日本刀(小道具)の作り方をSNSでシェアする

「小道具について」の記事を読む


コスプレ用の小道具を探す

コスプレ用の小道具を探す
コスプレは衣装だけでなく、小道具による演出も大切な要素です。アクセサリーの装飾品や武器、ウィッグなど、コスプレのテーマに合った小道具を使ってキャラクターになりきることで、気持ちも盛り上がってきます。また、撮影会に参加したときなどでも、小道具を利用することでポーズの幅が広がってくるのです。ここでは、「既製品の物で小道具を探す」というテーマで、小道具をどう調達したら良いのかをご紹介します。

コスプレ用の小道具を探す

コスプレ用の小道具を作る

コスプレ用の小道具を作る
小道具の制作は、造形の要素が強く、素材を切って貼ったり、塗ったりして、リアルな表現に近付けていくのです。ここでは、小道具によく使われる素材と使い方をご紹介します。

コスプレ用の小道具を作る

コスプレ用の忍装束・頭巾の作り方

コスプレ用の忍装束・頭巾の作り方
「忍者」は、日本のみならず海外でも絶大な人気を誇っており、日本を訪れる外国人の多くが、忍者の里を訪れて、忍者が着ていた装束を自分達も着て写真に収めることを楽しみにしています。日本では、明治時代末期の頃から忍者を主役とした小説や時代劇が人気を集めており、人知れず大きな仕事を成し遂げる忍者は、今なお人びとにとって憧れの対象です。 驚くことに「忍者」という名が定着したのは、昭和30年代になってからで、それまでは「忍び」(しのび)と呼ばれていました。忍びが着用した衣装のことを「忍装束」(しのびしょうぞく)と言います。忍装束は、コスプレイヤーにとって侍の小袖姿や武将の甲冑などと並んで人気の高い衣装のひとつ。器用なコスプレイヤーは、自らの手で忍装束を作りますが、果たしてどうやって作っているのか。今回は、忍装束の作り方をご紹介します。

コスプレ用の忍装束・頭巾の作り方

注目ワード
注目ワード