小道具について

コスプレ用の小道具を作る

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小道具の制作は、造形の要素が強く、素材を切って貼ったり、塗ったりして、リアルな表現に近付けていくのです。ここでは、小道具によく使われる素材と使い方をご紹介します。

コスプレボードの活用

コスプレボード

コスプレボード

コスプレ造形では、やわらかくて曲げられる板状素材が便利。

コスプレボードは、武器、甲冑、アクセサリーなど幅広い使い道があります。厚さ、サイズに種類があり、カット、変形、巻き付けなど、使用方法は様々です。

例えば、1.5~3mmは紋様などの細かい部分、5mmは甲冑の一部やアクセサリー、刀剣、槍、薙刀の刀身など、10mmは甲冑のメイン部分や、大きめの武器(刀身など)のパーツに合わせて使います。

コスプレボードで造形型衣装・小物を作る

  1. トルソーを作る

    身体にぴったり合う造形型衣装・小物を作るために、自分の身体サイズのトルソー(胴体の模型)を作ってみましょう。

    1人で作るのは極めて難しいので、誰か手伝ってくれる人と一緒に始めればスムーズに行なうことができます。

    <材料>

    ・ゴミ袋 ・粘着テープ ・はさみ
    ・フェルトペン ・ハンガー

    <胴のサイズ>

    1. ゴミ袋の上部、左右に、頭と両手を出すための穴を作ります。上部、左右を20㎝ぐらい切り、かぶります。
    2. 腕を広げた状態で、肩から脇の下の部分を粘着テープで貼り、固定します。
    3. 体の余っているビニールをウエスト部分で留めながら、フィットさせていきます。
    4. 全体的に身体のサイズにフィットさせるように、粘着テープを埋めていきます。
    5. 背骨に沿って縦に1本、腰回りをぐるりと1周するようにガイド線を書きます。
    6. 背中のガイド線に沿って下から切り開き、切った部分を貼り合わせて完成。このとき、ハンガーを通しておくと便利です。

    <腕のサイズ>

    1. 切り開いたゴミ袋を腕に引っ掛けて肩から脇の下、手首のビニールを粘着テープで留め、続いて隙間を埋めていきます。このとき、手の角度は自然な角度にキープしておきます。
    2. 手首、ひじ、肩が分かるようにガイド線を引いておきます。手首から切込みを入れて手を抜きます。切ったところを貼り合わせて端の処理をします。

    <足のサイズ>

    1. いすに座った状態で、ひざは45度、かかとだけ地面に付けてゴミ袋をかぶせます。
    2. はじめは、足首、ひざ下、ふくらはぎをぐるりと、ひざから足首にかけて縦に1本、テープを貼り、続いて足首からふくらはぎまでテープで埋めるように貼っていきます。
    3. 足首とひざが分かるように、ペンで中央部分にガイド線を入れ、足首から縦のラインに沿って切り開いていきます。
    4. 足を抜いたら、切ったところを貼り合わせて端の処理をします。
  2. 型紙を作る

    型紙を作る

    型紙を作る

    造形は型紙がないので、トルソーを使って自分で型紙を作ってみましょう。

    トルソーの前後に同じように用紙を引っ掛けて、中心が分かるように前後に折り目を付け、身体のラインに合わせて切込みを入れて立体化。

    こうしてできた型紙を、コスプレボード(コスプレ造形に使われる、やわらかくて曲げることができる板状素材の材料)に転写し、組み立てていきます。

  3. 表面を加工する

    コスプレボードの上に合皮を貼るなどして装飾し、着脱しやすくするため面ファスナーを取り付けたら造形型衣装・小物の完成です。

    この「合皮を貼る」方法は、甲冑や衣装の装飾パーツを作る場合に多用される方法で、塗料を使って塗装をするよりもきれいに仕上がるため、おすすめ。

    貼り付ける合皮は、光沢のある「ラリッサ」が一般的。伸縮性のある素材を選ぶと、曲面にうまく貼り合わせることが可能。

    合皮はボードを覆うように貼り付けるため、大きめに切り出しておき、パーツの表面と合皮の裏面全面にG10ボンドを塗り、10分程度乾かしたあと、ボードの表面に合わせて合皮を貼っていきます。貼るときは、しわになったり空気が入ったりしないよう、熱を加えたり伸ばしたりしながら貼りましょう。

制作のポイント

型紙作り、合皮の貼り合わせは、トルソーに合わせ、全体のバランスを確認しながら制作していくことがポイント。客観的に見ながら調整していくことで、作りたいイメージに近付くことができます。

トルソーに合わせるときは、肩パーツはまち針で、着脱部分の脇の下は、粘着テープで仮留めすると、成形が簡単です。

その他造形を作るのに必要な道具

工作用紙・画用紙
造形物の下書きや、型紙などに使用。また、強度は落ちますが、刀剣や、槍、薙刀といった武器の刃の部分など造形物の一部としても使えます。曲線の型紙を作るには、画用紙だと扱いやすくておすすめです。

塩ビ管(塩ビパイプ、ビニールパイプ)
水道のパイプとして使われている塩化ビニール素材です。刀剣や槍、薙刀などの武器の持ち手、火縄銃などの銃口などに使用したり、大きめの斧や釜の持ち手を分割したりしたいときに役立ちます。オススメは直径30~40mmの塩ビ管。大型の武器だと50mmほどの材料を用います。

園芸棒
園芸に使われている支柱は、支柱や接続パーツに使われます。手で簡単に折れるので、長さの調節もしやすく便利です。

デザインナイフ
コスプレボードや工作用紙で紋様を作ったり、小さな穴を空けたりするときに便利な造作用ナイフ。こちらも100円ショップで購入できます。

瞬間接着剤
コスプレボードの接着や工作用紙の貼り付けに使います。100円ショップの瞬間接着剤は、繋ぎ目が見えないくらいきれいに接着できて優秀です。
グルーガン
コスプレ用小道具制作には必須のグルーガン(熱で溶けたプラスチックを接着する道具)。ライオンボードや工作用紙、塩ビ板などに接着可能です。接着だけでなく、表面を盛り上げられる、上から塗装をするときれいに模様が出るなど、様々な用途に使えます。
造形ベース(塗装下地)、造形トップ
造形ベースは塗装前の下地に使用し、造形トップは、つや出しのトップコートとして使用。発色の美しさ、絵の具の吸着が違ってきます。白ジェッソ(ジェッソ:アクリル絵の具用の下地剤)で下地を塗ると明るい仕上がりに、黒ジェッソで下地を塗ると暗めの仕上がりになり、効果的です。
アクリル絵の具・スプレー
造形物の塗装に使用。乾燥が速く、乾燥後は水に強いという性質があり、素材への吸着が良いため様々な素材に使用できます。重ね塗りや何度も吹きかけることで、風合いに変化を付けることが可能です。
スポンジ
使いやすい大きさにカットし、造形ベースや塗装などで使用。広範囲まで素早く塗れるので重宝します。
面ファスナー
衣装の着脱に便利な面ファスナー。留め外しがしっかりできます。

素材の扱い方

材料の切り方

材料の切り方

材料の切り方

ボードを切るだけでもコツが要ります。知っていないと、切り口がガタガタになってしまい、仕上がりも微妙に。

失敗の原因は「素材に対して刃を垂直に入れることができておらず、切っている最中に刃が傾いてしまっているから」。

正しい切り方をマスターしてシャープな切り口を目指しましょう。

まっすぐ切る方法
カッターの刃の横に指を添え、刃の角度と位置を固定して引きます。指を添えて、ライン通りに切れば断面も垂直に。このとき、素材とカッター、手はまっすぐ保ちましょう。
ラインの内側を切る方法
カーブがあっても型紙線の内側を切ることで、型紙通りの大きさに切り出せます。
斜め角度で切る方法
横から見て下の角に向かって斜めになる角度を、指で支えてキープ。カッターを持つ手の中指を添えて刃を固定して引きます。縁取りなどに使う飾りパーツも、コスプレボードのソフトもこの方法で作ると簡単です。このとき、カッターで手を切らないように注意しましょう。
失敗防止のためのコツ
刃と素材の角度を垂直にすることを意識してカットするのがコツです。また、横から刃を見ながら切らず、カッターを真上から見下ろすようにしながら、刃が傾いていないか確認します。

接着の仕方

組み立て作業において、むらなくしっかりと接着するコツをご紹介します。

斜め切りでへらを作る
ボンドを塗るためのへらは、コスプレボードで制作。作業しやすい長さにカットし、斜め切りしておきます。刷毛ではムラになるので、へらで作業します。コスプレボードだと、ボンドで固まってしまった場合も、その部分だけカットすれば使えるので便利です。
基本は2度塗り
1度目で表面の細かな穴をつぶし、いったんドライヤーで乾かしたあとに2度目を塗ります。べたつくぐらい厚めに塗り、圧力をかけてパーツ同士をくっつけます。

【失敗例1】曲線貼りで隙間ができてしまう
造形でよくある失敗が、接着面に隙間が空いてしまうこと。隙間が空いていると、仕上がりがきれいにならないので、なんとかしたいものです。

こんなときは、同じ種類のコスプレボードの角を隙間に合わせて押し込むように貼り付けたのち、余分な部分をカットし、なめらかになるようにやすりで整えます。

【失敗例2】合皮にボンドが付いて汚れてしまった
うっかり作業中に付いてしまったボンドや塗料は、水で濡らしたり、布でこすったりしても、汚れは悪化するだけです。

そんなときは、ラッカーうすめ液を使います。うすめ液を数滴染み込ませたティッシュペーパーで、汚れた部分を軽くこするのです。汚れがとれたら、新しいティッシュで乾拭きします。

塗装の仕方

塗装は、重厚感のある色合いに仕上がり、こだわりを出しやすい方法。

塗料を混ぜたり、重ねて塗ったりすることで、表現したい色を簡単かつリアルに再現できます。質感を出したいアイテムにおすすめです。ここでは様々な塗装のコツをご紹介します。

造形ベースを使う
造形ベースをよく混ぜてから、別の容器に使う分だけ取り分けます。

水で20%程度希釈し(ゆるいほうが塗りやすくなります)、スポンジ筆で薄塗りを2回行なった上で、スプレー等で薄塗りし、完全に乾いたら造形トップでコーティング。完全に乾いていないと、はじいてしまうので、1~2日はおいてしっかり乾燥させましょう。

造形トップも薄塗り2回を目安とします。

スプレーを使う
塗装の仕方

塗装の仕方

最終的に塗る色に合わせて、まず下地の色を2回塗り重ねます。

明るく色を出したいときは白のジェッソを、重さのある色を出したいときは黒のジェッソを使用。乾燥したら、ジェルメディウム(艶や透明感を与えるアクリル絵の具)を筆で塗ります。

乾燥すると透明になるため、下地が乾いたら、その上から塗装したい色のスプレーを吹きかけます。1ヵ所に吹きかけず、全体に吹きかけることが重要です。

【失敗例】スプレーで表面が溶けた
仕上げ塗装をしたら、コスプレボードや発泡スチロールの表面が溶けてしまう場合もあります。原因は素材のプラスチック成分が、スプレーの油性成分で溶けてしまうため。

これを防ぐための方法は、素材の表面に塗装用の下地を塗り重ねること。なお、水性のスプレーを使用すると、プラスチック素材を溶かさずに塗装することができます。

塗料を使う
ボトルからではなく、キャップに塗料を少量移し、スポンジに塗料を付けます。キャップを使うのは、スポンジに塗料が付きすぎるのを防ぐためです。

そのまま塗装するのではなく、余分な塗料をティッシュに付けて落としておくのがコツ。

塗装したい部分を軽くこするように塗ることで、かすれたような風合いとなります。

注意点

  • ボンドやラッカーなどシンナーを含んだ物やスプレーを使う際は、必ずマスクの着用や換気をする。肌が弱い人は手袋をした方が良い。
  • 材料を火であぶって加工する際は、やけどに注意する。火の近くには燃えやすい物を置かない。
  • 造形は汚れやすく、いったん汚れが付いてしまうと落ちないことが多いため、汚れても良い服を着たり、レジャーシートを敷いたりして作業する。

ボンド布の作り方

合皮貼りは、1度にムラなく広範囲をカバーできます。もともと光沢のある素材なので、色むらやはみだしの心配がなく、仕上がりがきれいです。

合皮を貼り付けるには、まず事前に貼れる状態の「ボンド布」に加工しなくてはなりません。

ボンド布を作るには、まず、布をカッターマットに挟み、しわや折り目を付けないようにセットしておきます(テープで固定してもOK)。

次に、布の左端にG10ボンドを直径10㎝ほど出し、幅が広めのへらをジグザグに動かしながら、まんべんなく均一に伸ばすことが重要です。ここがムラになっていると、仕上がりもデコボコしてしまうので慎重に。

ドライヤーを使って乾燥させ、1度目が乾いたら2度目も同じく、均等に塗り広げます。

応急処置に使える!イベント時に持っていきたい道具

100円ショップで購入可能な様々な道具は、応急処置にも使えて大変便利です。イベント時に持っていくと便利な道具の一部をご紹介します。

  • 瞬間接着剤:細かいところまで流し込めるため、ゼリー状ではなく液状がおすすめ。
  • チューブ型G17ボンド:サッと使えて便利。
  • 安全ピン:すそ直しなどの微調整、仮止めに。
  • スポンジ:塗装が落ちたときなど、色をすぐに整えられる。小さくカットして数個入れておくと良い。
  • ドレッシングボトル:ボンドを入れておくと、そのままで使いやすい。

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