関市における刃物の催事・祭事
関市の刃物まつり・刃物大廉売市
関市における刃物の催事・祭事
関市の刃物まつり・刃物大廉売市

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「刃物のまち」と呼ばれる岐阜県「関市」では、毎年10月に「関市刃物まつり」が開催されます。関市は、世界的な刃物の一大産地と知られており、関市と刃物は強くつながっています。
そんな関市の一大イベントである「関市刃物まつり」には毎年20万人以上の人々が来場。様々な催しが開かれており、中でも関市の刃物企業や刃物店が、何店舗も軒を連ねて高品質な刃物をリーズナブルな価格で販売する「刃物大廉売市」はもっとも賑わいを見せ、刃物の購入をするためにプロの料理人も全国から集まるほど魅力がいっぱいです。
ここでは2日間に亘って開催される「関市刃物まつり」の歴史から見どころについて詳しくご紹介します。

関市刃物まつりの概要

刃物まつり

刃物まつり

関鍛冶の礎を築いたと伝えられる刀祖・元重の遺徳を偲び、刃物の街、関市を広くPRするため様々な催事、行事が行なわれる「関市刃物まつり」。2017年(平成29年)に50回目を迎え、地元の住民はもちろん海外の観光客からも注目され、国内でも広く知られる祭りとなりました。

なかでも多くの人でにぎわうのが、本町通りの「刃物大廉売市」。地元企業や店舗のブースが1kmにわたって軒を連ね、はさみや包丁、爪切りなど、関産の高品質な刃物が通常よりもリーズナブルな価格で販売されるので、プロの料理人も訪れるほど。

他にも春日神社で奉告祭が執り行なわれるのを皮切りに、古式日本刀鍛錬の実演や刀剣展など、様々な行事が市内各所で2日間に亘って繰り広げられます。

鰻や鮎など地元の名物が並ぶご当地グルメやB級グルメのコーナーも登場し、各会場をつなぐシャトルバスも運行。毎年大変人気を集めている祭りです。

関市刃物まつりの歴史

関市刃物まつりは1968年(昭和43年)に初開催されましたが、そのはじまりは、当時の関市長・福岡博由氏による発案がきっかけでした。

もともと関では1915年(大正4年)に千手院の境内に「元重之翁」の碑を建立して以来、「刀祖祭」と呼ばれる刀祖・元重の偉功に感謝する祭りが刃物産業に携わる人々により続けられていました。特に1966年(昭和41年)・1967年(昭和42年)に行なわれた刀祖祭は、刃物産業にかかわる企業とその従業員のほとんどである2000人以上が参加し、盛大なものに。この様子を視察した市長が刃物の街、関のPRもかねた大々的な行事にできないかと呼びかけたのです。

これにより、関市刃物まつり協賛会が発足。瀬戸市の「せともの祭り」や、岐阜市の「ぎふ信長まつり」、一宮市の「一宮七夕まつり」など、東海地方で多くの来場者を集めていた祭りのようにしたいと、様々な催しを企画。関市役所、関商工会議所が主催となって、第一回の刃物まつりが開催される運びとなりました。

注目の刃物にまつわる催事

古式日本刀鍛錬

関に訪れたらぜひ見ておきたいのが、白装束の刀工による古式日本刀鍛錬。関鍛冶の歴史や伝統を紹介する関鍛冶伝承館で定期的に行なわれており、この古式日本刀鍛錬の実演は通常有料ですが、刃物まつりのときには無料で見学できるのでおすすめです。

他にも関鍛冶伝承館では日本刀(刀剣)の研磨や外装を担う、研師(とぎし)、柄巻師(つかまきし)、鞘師(さやし)、白銀師(しろがねし)の実演も行なわれ、その伝統技法を間近で見ることができます。

  • 関鍛冶伝承館

    関鍛冶伝承館

  • 古式日本刀鍛錬

    古式日本刀鍛錬

関アウトドアズナイフショー

刃物まつりでは長年人気を集める行事がいくつかあります。「関アウトドアズナイフショー」もそのひとつ。フォルムや機能など自由に創作デザインし、ハンドメイドで作り上げたカスタムナイフは芸術作品に例えられるほどで、国内外の作家たちが一堂に会す品評会や販売会には、毎年多くのファンが訪れます。

包丁研ぎコーナー

包丁研ぎ

包丁研ぎ

さらにこちらも好評なのが、持参した包丁を廉価で研いでもらえる包丁研ぎのコーナー。

職人が研石などを使って目の前で包丁を研いでくれます。期間中1000本もの包丁を研ぐとこともあるとか。そのスピード、正確さに注目です。

岐阜県関市・春日神社の特別公開

春日神社

春日神社

700年以上前に刀匠・金重と兼永が大和の国から関の地に移り住んだことが所縁となり、春日大社の御分霊を関鍛冶の守護神として祀った春日神社。ここでは、祭りの時期限定で貴重な品を観ることができます。

鎌倉・室町の頃から能舞台がある春日神社には、刀鍛冶が身に着け舞を披露したと伝えられる能面や能装束が保存されていて、祭り期間中の日曜に特別公開を実施しています。これらは国の重要文化財に指定されていて、特に能面は室町時代初期~桃山期の名工による作品が数多くあるので必見です。

ユニークな刃物の催事

1968年(昭和43年)から毎年行なわれてきた関市刃物まつりですが、これまで趣向を凝らした様々な催しが行なわれ、話題になってきました。

刃物の便利さや安全な使用方法を知ってもらうために行なわれていた、「鉛筆けずり体験」や「刃物を使った工作」といったワークショップは子どもたちに大人気。刃物の知識を高めてもらうちょっとマニアックな試験「刃物検定」も、祭りに合わせて実施されたこともありました。

「井村屋」とのコラボイベント

また、面白い催しで言うと、菓子メーカーの井村屋とコラボしたカフェが会場に登場したことも。これは固いアイスとして知られる井村屋の「あずきバー」を「折れず曲がらずよく切れる」関の日本刀(刀剣)に例えて、SNSで話題を集めたのがきっかけでした。

関鍛冶がカチン、コチンと鋼を打つ様子を井村屋が「伝統的なあずきバーの製法」とツイートし、これに関市長が返信したことから交流がスタート。それから井村屋の会長が市を表敬訪問したり、市内であずきバーの無料配布を行なったりと、関とあずきバーとの関係がどんどん深まっていきました。

刃物まつりのPRのために2016年9月23日~25日の3日間、名古屋・テレビ塔に限定オープンした「関鍛冶CAFÉ&あずきBAR」では、あずきバーを入れて炊いたご飯を使ったローストビーフ丼などが登場し、行列ができきるほどに。刃物まつり会場にオープンしたカフェでもあずきバーが丸ごと1本入ったドリンクなど、個性的なメニューを販売し人気を集めました。

さらに50回記念となった2017年には、65cmもの刃身がある日本刀(刀剣)の形をしたあずきバーを制作。展示だけでしたがとても注目され、多くの人が訪れました。

第50回の「関市刃物まつり」を迎えるまでに

第50回のときには記念事業として、様々な試みが行なわれました。地元高校生のアイデアを発端に関の企業が協力して開発が行なわれたのが、本当に食べられる「日本刀アイス」。

地元の和菓子店が制作し、刀匠も監修に加わって仕上げたというそのアイスは、持ち手の部分に美しい模様があしらわれ、鍔(つば)もクッキーで再現。日本刀(刀剣)の美しさと美味しさをかね備えた商品となり、祭りのあとも関の名物として販売されるようになりました。

「関武将隊」を結成

他にも二次元キャラクターとコラボした、現代ならではのイベントも。2016年(平成28年)に関で制作した謎解き観光アプリ「KUMOAGEHA~幻の名刀 雲揚羽 を探せ!伝説の武将 大嶋雲八[おおしまうんぱち]物語~」のキャラクターたちをリアルに再現した「関武将隊KUMOAGEHA」が結成され話題に。オリジナルストーリーで繰り広げるショーを、関鍛冶伝承館などで披露しました。

歴史を伝えるタイムカプセル

祭りの歴史の長さを物語るのが、第20回のときに埋めた30年前のタイムカプセルを掘り起こすイベント。カプセルを開けると、当時の刃物や祭りのパンフレットなどが入っていました。

さらに将来も末永くこの祭りが愛されるようにとの願いを込め、第80回に掘り起こす新たなタイムカプセルを埋蔵。次世代にその歴史をつなぎました。

関市以外の刃物まつり

全国でも、関市と同じく刃物とゆかりのある土地で刃物まつりが開催されています。

例えば大阪府堺市は、安土桃山時代に煙草包丁の製造から発展した刃物の街。プロ用の包丁類では全国シェア90%を占めるほどで、現在も昔ながらの分業制で伝統の技を守っています。「堺刃物まつり」では、堺刃物の展示販売や制作工程の実演など、様々な催しが行なわれ、多くの人が詰めかけます。

他にも、日本古来の「たたら製鉄」で発展した島根県安来市の「やすぎ刃物まつり」、土佐打刃物で知られる高知県香美市の「香美刃物まつり」などが知られています。そんな全国各地で行なわれている刃物まつりの中でも、長い歴史を持ち、市を挙げて大々的に行なわれているのが関市刃物まつりなのです。

関市の刃物まつり・刃物大廉売市

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刃物の日・刃物供養祭

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刃物の町として知られる岐阜県関市では、毎年11月8日に「刃物供養祭」を開催。この日、刃物業に携わる人々は鋼や火をつかさどる神々に祈りを捧げます。かつてこの時期に鍛冶師の伝統行事「鞴祭」(ふいごまつり)が行なわれていたことと、「いい刃」の語呂合わせで、11月8日は「刃物の日」。そんな刃物と深いかかわりを持つ関市ならではの記念日「刃物の日」について、その由来や歴史などを詳しくご紹介します。

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関市の古式日本刀鍛錬打ち初め式

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