日本刀を作る
玉鋼の特徴
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日本刀(刀剣)の原料として広く知られる「玉鋼」(たまはがね)。世界で最も純粋な鋼とも言われていますが、その製法は限定的であり、玉鋼を使用して作り出される製品もまた限られています。そこで、玉鋼がなぜ日本刀(刀剣)の原料として最適と言われているのか、またその名前の由来や、他の鉄と比べて良質であると評される理由についてご紹介します。

玉鋼とは何か

玉鋼

玉鋼

日本刀(刀剣)の材料として知られる「玉鋼」(たまはがね)は、たたら製鉄の「鉧押し法」(けらおしほう)という「直接製鋼法」(直接製鋼法的間接製鉄法)で、ごく僅かにしか作ることのできない貴重な鋼です。

玉鋼という名称が定着したのは明治時代中頃ではありますが、天文年間(1532 ~1554年)の頃には、「白鋼」(しらはがね)という玉鋼に相当するとされる上質な鋼の存在が確認されています。

玉鋼の名称

玉鋼は、不純物の含有量が極めて低く、材質が均一であるため、鍛えるだけで「刃金」(はがね)として使用できる優れた鋼として、当時から重宝されてきました。

玉鋼という名称自体は、江戸時代末期の頃には存在していて、当時はたたら製鉄でできた「鉧」(けら)を破砕したときに生じる、細かい粒状の丸い玉のことを玉鋼と呼んでおり、「上質な鋼」として玉鋼と呼ばれるようになった経緯には諸説あります。

ひとつは「玉」(=宝石)の語感の良さから来ているとする説。もうひとつは、陸海軍の「工廠」(こうしょう:軍需施設)から「坩堝鋼」(るつぼこう:坩堝製鋼法で作られる特殊鋼)の材料を求められた際、当時最上品だった「造鋼」(つくりはがね)や「粒鋼」(つぶはがね)の代わりに、造鋼より品質が低いと思われていた玉鋼を納入したところ、意外にも工廠の評価が高かったため、品質の良い鋼を玉鋼と称することが定着した説。

その他には、工廠は坩堝鋼から大砲の「弾丸」(たま)を製造していたため、その名残で玉鋼と呼ばれるようになったという説もあります。

鉧押し法と銑押し法

玉鋼の原料は「真砂砂鉄」(まささてつ)で、製鉄時に使用する燃料は木炭です。たたら製鉄には、大きく分けて2つの製鉄法が確立されており、ひとつは鉧押し法(けらおしほう)。精製される鉧には玉鋼の他、「目白」(めじろ)や「造粉」(つくりこ)と呼ばれる鉄素材も含まれています。

いずれも精製される量は多くありませんが、鋼は「銑」(ずく)と違って炭素量が少なく、叩いたり伸ばしたり、鍛えることができるだけでなく、焼きを入れて硬くすることもできるため、日本刀(刀剣)以外にも刃物類や工具などの素材にも使用されてきました。

鉧押し法

鉧押し法

そして、もうひとつが「銑押し法」(ずくおしほう)という、主に「銑鉄」(ずくてつ、せんてつ)を得るための製鉄法です。銑鉄とは、銑押し法で得られる鉄素材で、炭素の含有量が高く溶けやすいため、主に鋳物の素材として、釘や鍋、農具などといった大量生産品向きの原料として使用されていました。こちらは原材料に「赤目砂鉄」(あこめさてつ)を使用して製鉄するのが特徴です。

鉧押しが直接製鋼法と呼ばれるのに対し、銑押しは「間接製鉄法」と呼ばれていますが、ここで言う直接・間接とは、砂鉄が還元されてでき上がる金属の塊(鉧押し法では鉧、銑押し法では銑)から直接的に鋼を取り出すことができるかどうかという意味で用いられています。

なお、1代(ひとよ:たたら製鉄で火入れから終了までの全工程のこと。鉧押し法の場合3昼夜かかることから別名[3日押し]とも呼ばれる)で使用する砂鉄は約10t、木炭は約12tですが、鉧としてできるのは約2.5t、さらに良質な玉鋼はそのうち約900kgしか得られないと言われており、玉鋼がいかに貴重な素材かが分かります。

玉鋼は普通の鉄と何が違うのか

一般的に鉄と聞いて連想されるのは「鉄鋼」であることが多いです。例えば、キッチン用品。スプーンやフォークをはじめ、包丁やフライパン、鍋といった調理器具は一般的に鉄で作られた「鉄鋼製品」です。

車や飛行機、ショベルカーなどの大型の乗り物や重機も鉄鋼製品。普段私達が目にするこれらの鉄鋼製品は、ほとんどが鉄鉱石を主原料にした合金で、玉鋼もまたもとは砂鉄から作られた合金です。それぞれ、含有する炭素量によって種類が異なります。

折り返し鍛錬で得られる強靭さ

精製された鉄は、炭素量が多ければ硬度が増しますが、比例して粘り強さが落ちます。「粘り」とは折れやすさのことで、硬ければその分、折れやすくなるということ。裏を返せば炭素量を少なくすればするほど、硬度は減りますがやわらかく、伸ばしやすくなるのです。普通の鉄は、力を加えると比較的容易に形を変えられますが、鋼は熱を加えないと変形できないほどの硬度を誇ります。

日本刀(刀剣)は「折れず、曲がらず、よく切れる」と称されるほど強靭な武器でした。日本刀(刀剣)は、その製造工程で様々な加工を施されます。原料となる玉鋼は炭素量が1~1.5%程度とされ、非常に純度が高い鋼です。ごく僅かに含まれている不純物も、「折り返し鍛錬」と呼ばれる、叩いては伸ばし、重ねて、また叩いては伸ばし、重ねるの作業を15回ほど繰り返すことで徐々に分散・細分化されていきます。

玉鋼に含まれる非金属介在物(金属中に含まれる酸化物、硫化物などの非金属物質)は非常にやわらかく伸びやすい性質を持っていて、折り返し鍛錬を経て日本刀(刀剣)を粘り強くしたり、地鉄に美しい文様をなしたり、研ぎ性を高める性質があるため、日本刀(刀剣)にはまさに、うってつけの鉄素材なのです。

品質に応じた玉鋼の種類

靖国たたらと日刀保たたら

たたら製鉄 玉鋼誕生物語

玉鋼を作る「たたら製鉄」法の歴史を動画にてご紹介します。

たたら製鉄(玉鋼誕生物語)

現在も島根県奥出雲町で毎年冬になると操業される「日刀保たたら」(公益財団法人 日本美術刀剣保存協会)では、1回(1代)でおよそ1tの玉鋼を産出し、期間中は計3回(3代)の操業が行なわれるため、でき上がる玉鋼は約3tにもなり、全国の刀匠へ配分されます。たたら製鉄が、今もこうして操業できるのは、先人達の並々ならぬ努力のおかげなのです。

海外から安価な鋼材を輸入するようになった明治時代中頃には、鉄鉱石で精製される「洋鉄」(ようてつ:西洋式近代製鋼法で産出される、不純物を多く含んだ鉄のこと)の急速な普及により和鉄需要が激減。銑押し法などは、その時期に失伝してしまい、僅かに残った鉧押しはその後、戦争の影響による軍刀需要のため、1933~1945年(昭和8~20年)に「靖国たたら」として一時的に復活を遂げますが、敗戦と共に再び表舞台から姿を消します。

刀工の多くは、この時期を境に数が激減しますが、靖国たたらにあった少ない在庫を使って、細々と「作刀」(さくとう:日本刀[刀剣]を制造すること)を続ける刀工も僅かながらにいました。

しかし、次第に在庫も底を尽き、このままでは日本刀(刀剣)の伝承が途絶えてしまうと、事態を重く見た日本美術刀剣保存協会や「日立金属」(現存する特殊鋼メーカー)は、「日本刀(刀剣)は武器ではなく美術品」として、再び刀工が作刀を行なえるようにと努力を重ね、1977年(昭和52年)に靖国たたらとして廃業したその跡地を、日刀保たたらと改名して復元し、現在に至ります。

玉鋼の等級

様々な紆余曲折を経て復活を遂げた、たたら製鉄。産出される希少で上質な玉鋼に等級が付けられるようになったのは近代になってからです。

靖国たたらと日刀保たたらは、それぞれ異なる基準のもと分類されており、靖国たたらでは、「鶴」、「松」、「竹」、「梅」の4段階で品質を分けていました。日刀保たたらでは、「1級品」、「2級品」、「3級品」の3段階で品質が分けられており、作刀の際に用いられるのは1級品や2級品など、最高品質の玉鋼です。

靖国たたらにおける玉鋼の品質分類基準は、炭素の含有量の他に不純物の含有量で決定されていました。最高品質の鶴は、炭素含有量がおよそ1.5%。不純物のケイ素やマンガンなどはほとんど検出されない、鶴よりは下位とされる松においても、炭素含有量はおよそ1.2%で、不純物は鶴よりはごく微小に多い程度といった具合です。

日刀保たたらにおける玉鋼の品質分類基準ですが、靖国たたらと同様、炭素含有量と不純物含有量の他、玉鋼として精製されたときの見た目も評価基準に加えられました。

1級品の場合は、炭素含有量1.0~1.5%、不純物はごく微小、そして「破面」(金属を破砕した際の断面)が均一であることが1級品の基準です。2級品は、炭素含有量0.5~1.2%、不純物はごく微小、破面はやや均一であることが基準となり、3級品の場合は炭素含有量0.2~1.0%、破面は粗野になるため、詳細な成分分析を行なうことができなかった当時でも、作刀に用いられる玉鋼の選別は、破砕後の破面の状態を見て行なっていたことが窺えます。

日刀保たたらでは、1回(1代)の操業で約2tの鉧を産出し、そのうち玉鋼はおよそ1t、さらに1級品に該当する玉鋼の産出量はわずか2割程度とされていて、このことからも日本刀(刀剣)に用いられる玉鋼がいかに貴重であるかを知ることができます。

玉鋼が「良質な鉄」である理由

玉鋼で作られたナイフ

玉鋼で作られたナイフ

たたら製法で生み出される玉鋼は、不純物の含有量が極めて低く、なおかつ炭素量も少ないため非常に加工がしやすい素材。

原材料となる真砂砂鉄、そして木炭の両方に含まれる不純物は、本来であれば、でき上がりの見た目や性質を悪いほうへ変質させたりなどの影響が出る物なのですが、玉鋼に含まれるごく微細な不純物は、むしろ折り返し鍛錬により粘り強さを増し、研ぎ性も向上させてくれるのです。

その希少性から、現代ではもっぱら日本刀(刀剣)以外ではあまり使用されることはありませんが、ナイフや包丁、靴べらなど、日本刀(刀剣)以外の玉鋼製の製品も、数こそ少ないですが世に出回っています。

玉鋼以外で作られた日本刀

玉鋼が良質な鉄として、日本刀(刀剣)の材料に最適とされる理由は他にもあります。粘り強くなるということは、地鉄に綺麗な「刃文」(はもん:焼入れをした際に刀身の刃先部分に表れる文様のこと)を施しやすくなり、研ぎ性が向上すれば、より鋭利で煌く、美しい刀身を作り上げることが可能になるのです。

では、日本刀(刀剣)はその原料が玉鋼でないと作れない物なのかと問われれば、決してそうではありません。実際に玉鋼を用いない日本刀(刀剣)を模した刀剣類は実在します。原料にステンレスや洋鉄を使用して作刀された刀剣類は、試し切りまでされており、切れ味に関しては洋鉄などのほうがむしろ優れていました。

しかし、刃文や地鉄の美しさ、刀身そのものの頑丈さなどは、玉鋼のそれに及ばないという研究結果もあります。

洋鉄と玉鋼の明確な違い

和釘

和釘

日本古来のたたら製鉄で作られる、不純物の含有量が極めて少ない純粋な鉄のことを「和鋼」(わこう)と呼ぶのに対し、「西洋式近代製鋼法」(原材料に鉄鉱石を用いて、一気に高熱処理を施して大量の鉄を作り出す製鋼法)で産出される、リンや硫黄などの不純物を多く含む鉄のことを一般に洋鉄と呼びます。

リンや硫黄は、微量であっても鉄を脆くさせる有害な不純物とされており、鉄の中にそれが多く含まれていれば、錆びやすく、脆くなってしまうのです。

例えば、奈良県生駒郡斑鳩町(ならけんいこまぐんいかるがちょう)に現存する法隆寺で創建当時から使用されていた釘は、「1,000年以上経過したあとも、表面の錆を一皮剥いでみれば中の鉄は錆びてはおらず、叩き直せば再び使うことができた」という記録が残っています。その釘こそが、和鋼を原材料とした「和釘」(わくぎ)でした。不純物が微小な極めて純粋な釘であったため、ほとんど錆びずに済んでいたということを裏付ける貴重な証言です。

玉鋼もまた不純物が極めて少ない鉄であり、洋鉄で作られた鉄剣などと違い、日本刀(刀剣)がほとんど錆びることなく当時の姿のまま発見される理由もここにあります。玉鋼が非常に良質な鉄であると評されるのは、こういった理由があるからです。

現代科学でも解明できない玉鋼の「謎」

現代に伝わるたたら製鉄法で製造される日本刀(刀剣)。しかし元来、作刀は一子相伝として代々受け継がれており、その製法や材料に関してはいまだ多くの謎が残っています。

古代の日本刀(刀剣)は、現代刀とは違う素材で作られているとされ、現代の技術をもってしても同じ物は作成できないと言われているのはこのためです。今も脈々と受け継がれてきているたたら製鉄も、江戸時代末期、新々刀の祖と言われる刀工「水心子正秀」(すいしんしまさひで)がまとめた方法が基本となっているため、たたら製鉄確立以前の作刀方法はほとんど不明となっています。

理論値を超える硬度の日本刀

心鉄と皮鉄

心鉄と皮鉄

玉鋼に関しても例外ではなく、現代科学でも説明ができない謎が存在します。

日本刀(刀剣)が、たたら製鉄で何度も鍛え上げて作られていることは周知のことですが、過去にその硬度を測定した「冶金学者」(やきんがくしゃ)がいました。測定の結果、日本刀(刀剣)で用いられる焼入れ後の鋼は、理論値を超える数値を示したのです。

日本刀(刀剣)の作刀には、「造込み」(つくりこみ)という、折り返し鍛錬でできた炭素量の多い硬い鋼(皮鉄:かわがね)で、炭素量の少ないやわらかい鋼(心鉄:しんがね)を包み込んでひとつにする工程があります。炭素量が多いと硬くなり、少ないとやわらかくなるという、相反する素材同士を組み合わせることで、日本刀(刀剣)の代名詞「折れず、曲がらず」の部分を実現しているのですが、いくら造込みの工程を経ているからと言って、刀身の硬さが理論値を超えるのは不可解なことだと言われているのです。

また、そもそも玉鋼を平たくして折り返し、叩くだけで「くっついてしまう」ことも金属学ではうまく説明ができないとされています。たたら製鉄で扱う炉内の温度は、1,500度以下。しかし、一般的な鉄を加工する場合は、炉内の温度をもっと上げないとくっつくことはない上に、硬すぎるため叩いてもへこませることすらできないのです。

存亡の危機を乗り越えてきたたたら製鉄は、そのたびに少しずつ形を変えながら現代まで受け継がれてきました。科学では解明できないことでも、刀工達は確かにその技術を目や耳、身体で覚え、今なお作刀技術を後世へ伝えています。

武器ではなく、美術品として今も世界中の人々を魅了する日本刀(刀剣)。現物を間近で観る機会ができた際には、作刀した刀匠達の姿や思いを想像しながら、その美しさを存分に堪能したいものです。

玉鋼の特徴

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