「三条宗近」(さんじょうむねちか)は、山城伝(やましろでん)三条派の開祖で「三条小鍛冶宗近」(さんじょうこかじむねちか)・「小鍛冶」とも呼ばれます。
三条派は、京都の三条で平安時代に活躍した刀工一派。「山城国」(やましろのくに:現在の京都府)の刀工一派の中で、最も古い流派として有名です。
この一門の日本刀を注文した得意先は藤原時代の公卿達で、三条派は彼らから、宮門を守る衛士が用いるための儀礼的な太刀(たち)の注文を受けていました。
宗近は、10世紀末の永延頃に作刀をし、在銘で確実な遺作は稀な伝説的な名工です。謡曲小鍛冶にも取り上げられ、広く世に知られており、三条小鍛冶宗近とも呼称されています。