本刀の制作者「天田昭次」(あまたあきつぐ)は、本名を「誠一」(せいいち)と言い、1927年(昭和2年)8月4日、刀工である「天田貞吉」(あまたていきち)の長男として、本田村本田(現在の新潟県新発田市)に生まれました。
1940年(昭和15年)、「日本刀鍛錬伝習所」に入門し、鍛刀の技術を学ぶと、若くして頭角を現した昭次。
「新作名刀展」において正宗賞を3回受賞。「伊勢神宮式年遷宮神宝太刀」の制作者にも選ばれます。1990年(平成2年)、全日本刀匠会理事長に就任。1997年(平成9年)には、重要無形文化財保持者、いわゆる人間国宝に認定されます。
2013年(平成25年)6月26日逝去。享年85歳。
昭次は、作刀の素材を自家製鉄で賄っていた希有な刀工で、砂鉄を吟味し、鍛錬法を工夫して、さらに、山城伝、相州伝、備前伝といった様々な作風を会得。数々の名作を残しました。