江戸時代 後期

しゅじきんくようもんぐんせん 朱地金九曜紋軍扇

朱地金九曜紋軍扇

軍扇は、江戸時代後期に制作された軍扇。

表側の地紙は、朱塗りで中央には九曜紋を描き、裏側の地紙は金箔地で太陽を表す朱色の丸が描かれています。仕立ては丁寧で、破損なども見当たらない美麗な軍扇です。

「要」(かなめ:親骨と中骨を繫ぎ止める部分)に嵌められた銀銅の「鵐目」(しとどめ:紐を通すための穴の縁を飾る金具)は、菊の形をしており、穴の縁は丸く成形されています。「腕貫緒」(うでぬきお:ぶら下げて持ち歩くための紐)は、紅四ツ打ちの組紐。

骨の素材には「鯨の髭(ひげ)」が使用されていますが、これは非常に珍しいことです。通常、扇の骨に使用される素材と言えば、木や竹、象牙、鼈甲(べっこう:亀の甲羅の加工品)が一般的。鯨の髭が扇の材料に用いられる場合、多くは要で骨を束ねる際の固定具として使われるため、本軍扇のように骨の部分の素材として鯨の髭が使われている軍扇は、あまり存在しません。

鯨の髭は、ほどよく弾力性があり、加工に適した硬度を持つために現代でも釣竿の先端部分や、ヴァイオリンの弓部分などの素材として重宝されています。

なお、鯨の髭は体表に生えている毛ではなく、口内の上あご部分に密集して生え揃う繊維状の器官のことです。小型のプランクトンなどを主食とする種類の鯨には、歯の代わりにこの髭が生えており、海水ごと餌を丸吞みしたあとに餌だけを濾(こ)し取る役割を持っています。

朱地金九曜紋軍扇の写真

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詳細情報

鑑定区分 - 推定制作時代 江戸時代 後期
代表的な
所蔵・伝来
刀剣ワールド財団
〔 東建コーポレーション 〕

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