作らせた榎本武揚のひ孫が寄贈

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アーカイブ ※この記事は2017年7月15日に発行されたものです。

明治期の政治家で草創期の小樽の発展に寄与した榎本武揚が建立した龍宮神社(稲穂三)に六月二十日、武揚が隕石から作らせた刀剣「流星刀」が奉納された。代々榎本家に伝わってきたもので、武揚のひ孫の榎本隆充さん(82)が同神社に寄贈した。小樽の関係者は、ゆかりの地で保管できることを歓迎している。

「流星刀」は、富山県で見つかった隕石「白萩隕鉄」を武揚が買取り、刀工に頼んで明治三十一年(一八九八)に長刀二本、短刀三本の計五本製作した。今回寄贈されたのは短刀で、刃渡り約十九センチ。

隕石に詳しい小樽市総合博物館の大鐘卓哉学芸員によると、白萩隕鉄はほとんどが鉄分でできており、これに鋼を加えて刀剣に鍛えたという。「隕石から作られた刀は、日本には流星刀以外に個人所有の一本があるだけだと思われる。非常に貴重な資料で、それが小樽に保管されることは素晴らしい」と話す。

ロシアで見た刀剣に憧れ

武揚は官僚として、科学技術に強い関心を持っていた。ロシアに行った際に鉄隕石で作られた刀剣を見て憧れ、研究を進めていたという。五本のうち、長刀は天皇家と東京農大に寄贈。短刀は一本が戦時中に行方不明に。今回寄贈されたもの以外に、富山市科学博物館にも一本寄贈されている。

東京に在住する隆充さんは「龍宮神社は武揚と深いゆかりがある。流星刀の保管場所として最もふさわしいと感じて寄贈を決めた」と話す。流星刀の存在や、小樽と武揚の関係についても多くの人に知ってもらいたいと考えたという。

(『北海道新聞』六月二十二日)

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