二荒山神社宝物館で新重文を鑑賞

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アーカイブ ※この記事は2018年7月15日に発行されたものです。

文化審議会(馬渕明子会長)は、三月九日に開催された同審議会文化財分科会の審議・議決を経て、五件の美術工芸品を国宝に、同じく五十件を重要文化財に指定することにつき、林芳正文部科学大臣に答申した。

このうち、栃木県・日光二荒山神社の所蔵品で、刻銘のある金銅装神輿三基・金銅装唐鞍三具とともに重文に指定された「祭礼武器類」が拵付きの薙刀五振。

これは刀剣類の指定としては三十年ぶりということで関係者を喜ばせている。

二荒山神社には、康応元年(一三八九)の銘により、南北朝時代の製作として昭和三十四年に重要文化財に指定されている金銅装神輿三基が伝来している。本件は、これらの神輿を中心とする祭礼に供奉したと思われる薙刀類で、鎌倉時代から南北朝時代初期における薙刀の刀身ならびに南北朝時代における外装(一部後補)が、それぞれほぼ揃いで伝存する。

近年、同社所蔵の刀剣類を総合調査した際に、これらの健全性と貴重性が明らかとなり、評価があらためて高まった。

当時における祭礼供奉の様相を知ることができる貴重な宝具類であるとともに、刀剣史上、貴重な遺存作として注目されている。

東京国立博物館での「平成三十年新指定国宝・重要文化財」展に引き続き、地元の日光二荒山神社中宮祠宝物館で公開されるというので、早速行ってきました(十二月末まで展示)。

入館と同時に、目に飛び込んできた見事な姿に、思わず感嘆の声を漏らしてしまいました。

刀身の輝きと拵の精巧さも見事です。十三~十四世紀に製作され、祭礼武器として奉納されたものとのことですが、保存状態はきわめて良好で、長い年月、大切に扱われてきたことがしのばれます。展示会場を何度も往復し、目に焼き付けて帰ってきました。

今回の重要文化財新指定品の詳細は次の通りです。

①薙刀 無銘 伝一文字
 長さ六六・五㎝ 反り三・三㎝
 金銅装蛭巻薙刀拵
 総長二二八・五㎝
 柄長一五一・三㎝

②薙刀 無銘 伝大和系
 長さ六一・〇㎝ 反り五・〇㎝
 金銅装蛭巻薙刀拵
 総長二二一・〇㎝
 柄長一四八・五㎝

③薙刀 無銘 伝当麻
 長さ三〇・二㎝ 反り一・四㎝
 金銅装蛭巻薙刀拵
 総長一九五・〇㎝
 柄長一五五・五㎝

④薙刀 無銘 伝法城寺
 長さ五六・一㎝ 反り二・〇㎝
 金銅装黒漆薙刀拵
 総長二〇五・〇㎝
 柄長一四八・九㎝

⑤薙刀 無銘 伝宝寿
 長さ六七・九㎝ 反り四・八㎝
 金銅装黒漆薙刀拵
 総長二三八・〇㎝
 柄長一四九・四㎝

■日光二荒山神社中宮祠宝物館
〒321-1661
栃木県日光市中宮祠二四八四 ☎〇二八八-五五-〇〇一七
http://www.futarasan.jp/

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