ロシアから帰還した日本刀

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アーカイブ ※この記事は2016年11月15日に発行されたものです。

九月二日、安倍首相とプーチン大統領の十四回目となる首脳会談が、日本に一番近いロシアの都市ウラジオストクにおいて開催されました。

会談後、贈り物の交換が行われましたが、報道によると、安倍首相からは戦国武将をイメージした鎧と兜と表現されているところから、近年製作された甲冑が、プーチン大統領からは、日本刀が贈呈されました。

同行筋によると、日本刀は昭和天皇の「即位の礼」の際に使用された十二振のうちの一振で、戦後米国に流失し、オランダを経てロシア政府が所蔵していた経緯があるそうです。詳しくはわかりませんが、おそらく衛府太刀拵に収まった太刀ではないかと思われます。

プーチン大統領は贈り物をする際、自分で選ぶという繊細な一面を持っています。

また、大統領は日本の武道を重んじていることで知られ、とりわけ柔道の精神が現在の自分を作ったとまで言っています。武術の精神の究極である日本刀をわが国の首相に贈ることは、無言でその意義の大きさを物語っています。

刀剣に携わる者として、歴史的な価値のある刀剣が、外交の重要な局面で大きな役割を果たしつつあることに、深い敬意を表したいものです。

年内にあと二回行われる予定になっている両首脳の会談において、平和条約締結への環境が一層整い、領土問題が進展し、近くて遠い国のイメージが払拭されることを切に願います。

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