刀剣女子と日本刀文化の将来

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アーカイブ ※この記事は2016年5月15日に発行されたものです。

日本美術刀剣保存協会京都支部初めての女性会員として昨年入会し、現在、刀剣の勉強を頑張っている若い女性、いわゆる刀剣女子にインタビューしました。

小野桂子さん、二十代の女性で、お仕事はIT関連の技術職をなさっているとのこと。中学・高校生のころから歴史が大好きで、博物館の特別展などに通ってきた小野さん。刀剣との出会いのきっかけは、漫画やゲームといった媒体だったそうだ。

その後、刀剣への好奇心を抑えることができず、たまたま見かけたインターネットでの情報交換サイトで刀剣初心者講座が開かれるとの情報を得て、勇気を振り絞り一人で参加、そこでの参加者との交流や情報交換を経て、京都支部に入会したという。現在、京都支部では女性会員が四人まで増えてきている。

好きなタイプ(刀剣!)は初めは、南北朝期の身幅広く切先の伸びた相州物だったそうだが、勉強するに従って上品な姿の京物、特に来派の作品が好きになってきたそうで、とても頼もしく感じた。

昨今の刀剣女子ブームについても話が膨らんだ。ブームはしょせん刀剣に関心を持つ入り口にすぎず、その後の取り込みは非常に難しい。小野さんも自分の父親より年上の先輩方に囲まれ、最初は質間をすることさえできなかったそうだが、支部会員の親切で丁寧な説明を聞くうちにどんどん好奇心に火が付き、現在では貯金して、刀剣を所持したいというところまで熱中してきている。

刀剣の勉強方法を伺ったところ、刀剣書籍は専門書が多く、簡単に書店で購入することも難しく、また高価なために、勉強したくてもできないという悩みがあるそうだ。そこで、電子書籍に変換して、より多くの人に読んでもらうことで、刀剣愛好家の増加を促してはどうか、とのアイデアも頂き、やはり若い世代の感性はとても斬新で、参考になった。

話はさらに進展し、刀剣文化をいかに保持し、次の百年に伝えていくかとの話題になった。これからはインターネットなどを活用し、クラウド・ファンドの成功事例にも見るように、全く別の角度からの賛助を集めたり、その情報を発信したりしていくことで、より多くの方に関心を持っていただき、成果につなげていってはとの意見も伺えた。

われわれも刀剣女子を一時の流行というだけで片付けず、若い世代の違った視点や意見を取り入れ、価値観を共有することができれば、日本刀文化の将来も明るく感じられるのではないだろうか。

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