大隅俊平美術館で「春の刀剣展」開催

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アーカイブ ※この記事は2016年5月15日に発行されたものです。

群馬県の太田市立大隅俊平美術館で「春の刀剣展」が開催されている。

大隅俊平美術館は大隅刀匠の作品を常設展示する施設として、太田市が刀匠の自宅を改修し、平成二十四年十一月に開館した。

当館の資料から大隅刀匠の経歴を記すと─。昭和七年太田市に生まれ、同二十七年宮入昭平刀匠に入門し、作刀を学ぶ。三十三年独立。その後、新作名刀展において最高位の正宗賞を三度受賞する。六十二年には太田市の名誉市民に推挙され、平成九年には重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。「直刃の大隅」と称賛され、同二十一年に逝去するまで、直刃一筋に精進した。

入館すると、柔らかい空気に包まれる。まず目に入ったのは、刀の製作に使うすべての道具類。向かい側には、刀の原料から完成までの全工程が実物を使って順に展示されている。

刀の展示室に入ると、そこは別世界である。十三振の作品が並ぶが、凛とした空気と相まって独特の雰囲気を感じる。

大隅刀匠は、来国俊や備中青江派などの古作を理想として研鑽を積んだという。残された本人の手記によれば、直刃を目指すようになった契機は、本間薫山氏との出会いであり、直刃への道を託されたからだと記している。

正面に正宗賞受賞の太刀が飾られている。刃長八〇・八センチの青江を狙った作で、清涼感にあふれ、精緻な鍛えと地刃の冴えが見事である。

すべての作品を見て外に出ると、隣に鍛刀場が当時のまま残されていて、内部が見えるようになっている。

美術館の前に広がる庭園も素晴らしい。そのエリアが、まさに刀の聖地とも言うべき雰囲気を漂わせている。

爽やかな体験であった。

太田市立大隅俊平美術館
〒373-0036
群馬県太田市由良町三〇五一 ☎〇二七六-二〇六-六八五五
http://www.oosumi-museum.jp/index.html
七月十日まで「刀匠大隅俊平と二人の鐔匠」を開催

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