丁未の乱
丁未の乱
「丁未の乱」(ていびのらん)は、河内国渋川郡(現在の大阪府東大阪市)を舞台に、崇仏派の「蘇我馬子」(そがのうまこ)と、排仏派の「物部守屋」(もののべもりや)が仏教の信仰を巡って争い、蘇我馬子が勝利した戦いです。排仏派の物部守屋が敗れたことにより、蘇我氏の朝廷内の政治勢力は一層強まり、仏教の信仰が本格化しました。かつて丁未の乱が繰り広げられた大阪府大阪市の古戦場四天王寺をご紹介します。
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丁未の乱の概要

当時、日本を治めていた「欽明天皇」(きんめいてんのう)の下には、蘇我氏と物部氏の二大勢力がありました。

大陸から日本へ仏教が伝来すると、他国から後れを取るわけにはいかないと仏教を支持する蘇我氏と、仏教は日本古来の国神から怒りを買うと反対する物部氏が対立します。

欽明天皇は、2つに意見が分かれたことから自身が仏教に帰依することを断念したものの、蘇我氏には、私的な礼拝や寺の建立など、仏教を広めることは許可をしました。

戦いの背景

欽明天皇の時代、外交政策の一環として、百済の聖明王の使者が訪れ、金銅の釈迦如来像や経典、仏具などを献上したことが仏教伝来の始まりとされています。当時、百済は新羅の侵略に対抗するため、日本に仏教を伝えることにより、文化的なつながりを深め、援助を受けようとしていたのです。

欽明天皇が、仏教信仰について群臣に尋ねると、天皇の外戚(がいせき:母方の親戚)として権力を持ち、渡来人から学んだ知識を持っていた蘇我馬子の父「蘇我稲目」(そがのいなめ)は、「大陸諸国がみな礼拝しているのに、日本だけ背くわけにはいかない」と答えたのに対し、大連(おおむらじ:大和朝廷の最高官職)であった「物部尾輿」(もののべおこし)は、「日本の天皇は天神地祇を祭拝してきたのに、それをやめて蕃神(ばくしん:外国の神)を拝めば、国神の怒りを招く」と答えます。

そこで欽明天皇は、「試しに信仰してみるように」と、蘇我稲目に仏像や教典を授け、蘇我稲目は仏像や教典を自宅に安置し、向原(むくはら)の家を浄めて寺としました。これが日本最初の仏教の寺(現在の向原寺)と言われています。

その後、国内で疫病が流行したことにより、物部尾輿が「仏教を広めたから国神が怒ったのだ」と欽明天皇に進言し、570年に蘇我稲目が死去すると、欽明天皇の許可を得て向原の寺を焼き払います。これで疫病は収束するかと思われましたが、疫病が収まるどころか、天災が続いたことにより、仏教の信仰が許可されることとなります。

蘇我馬子と物部守屋の対立

蘇我馬子と物部守屋の対立

「敏達天皇」(びだつてんのう)の時代になると、蘇我稲目の子であり、大臣(おおおみ:天皇の補佐)だった蘇我馬子と、物部尾輿の子で大連だった物部守屋によって仏教を巡る争いが本格化。

国内には、再び疫病が流行し、崇仏派だった敏達天皇も、物部守屋の「国神をないがしろにした祟りだ」という主張を聞き入れて排仏命令を出し、物部守屋は仏殿や仏像を焼き払ってしまいます。

しかし、再び疫病が蔓延し、敏達天皇や蘇我馬子、物部守屋までが疫病にかかったことから、蘇我馬子は疫病退散のため寺の建立の許可を求め、敏達天皇もこれを許します。

その後、蘇我馬子は病が治りますが、敏達天皇は崩御してしまい、次の天皇を誰にするかで蘇我氏と物部氏の対立がさらに激化することとなります。

蘇我馬子は、自身の妹と欽明天皇との子「泊瀬部皇子」(はつせべおうじ:のちの崇峻天皇)を推薦し、物部守屋は、敏達天皇の弟「穴穂部皇子」(あなほべおうじ)を推薦。蘇我馬子は、先手を打ち、穴穂部皇子を殺害したことにより、丁未の乱へと発展していったのです。

丁未の乱

敏達天皇の没後、欽明天皇の第4皇子「用明天皇」(ようめいてんのう)が即位します。用明天皇は、蘇我稲目の孫だったことから仏教を容認しますが、587年、在位2年で崩御。用明天皇が亡くなったことで、排仏派だった物部守屋と崇仏派の蘇我馬子との対立が表面化し、丁未の乱がついに起こります。

厩戸皇子(聖徳太子)

厩戸皇子(聖徳太子)

蘇我馬子は、「厩戸皇子」(うまやどのおうじ:聖徳太子)や泊瀬部皇子などの皇族や諸豪族の軍兵を率いて、物部守屋の館がある河内国渋川郡へ進軍し、餌香川(えかがわ:現在の大阪府藤井寺市にある石川)の河原で、物部守屋と対峙します。

代々軍事や警備を担当し、軍事には強かった物部軍は、木の上から矢を注ぎ、蘇我軍を攻撃。蘇我軍は一時撤退を余儀なくされます。

その後、一進一退の攻防が続きますが、蘇我軍が木に登っている物部守屋を射落としたことによって物部軍は総崩れとなり、物部氏は滅亡。これにより、蘇我氏はさらに権勢を強め、仏教の信仰も本格化していくこととなりました。

丁未の乱の古戦場

石川河川公園

石川河川公園

石川河川公園

丁未の乱で最初に対峙した餌香川付近には、石川の河川敷に沿って作られた細長い「石川河川公園」があります。

石川河川公園は、1町4市にまたがる広大な公園で、それぞれのエリアには、パークゴルフ場やバーベキュー広場などもあり、家族連れに人気の公園となっています。

四天王寺/四天王像

四天王寺

四天王寺

丁未の乱の際、崇仏派の蘇我軍についた厩戸皇子(聖徳太子)が、仏教の加護を得ようと白膠木を切って「四天王像」を作ったと言われています。

その四天王像が、大阪府天王寺区にある「四天王寺」に安置されており、聖徳太子建立七大寺のひとつとされています。

近つ飛鳥博物館

近つ飛鳥博物館

近つ飛鳥博物館

大阪府南河内郡河南町にある「近つ飛鳥博物館」(ちかつあすかはくぶつかん)は、日本の古代文化をテーマにした博物館です。

蘇我氏や物部氏、厩戸皇子(聖徳太子)にかかわる資料などの展示物が保管されています。

物部守屋大連墳

大阪府八尾市には、物部守屋のお墓「物部守屋大連墳」があり、明治時代、当時の堺県知事だった「小河一敏」(おごうかずとし)氏によって建立されました。また、物部守屋大連墳のすぐ近くには、物部守屋が射たれた矢が埋められている「鏑矢塚」(かぶらやづか)があります。

「四天王寺」施設情報

「四天王寺」の施設情報です。「この施設の詳細を見る」ボタンからより詳しい投稿情報をご確認頂けます。

所在地 〒543-0051
大阪府大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
電話番号 06-6771-0066
交通アクセス 「四天王寺前夕陽ヶ丘駅」下車 南へ徒歩5分

交通アクセス情報を見る

営業時間 【お堂・中心伽藍・庭園】
[4~9月]
8時30分~16時30分
└※毎月21日・会中:8~17時
[10~3月]
8時30分~16時
└※毎月21日・会中:8~16時30分(10月以外)
└※10月21日・会中:8~17時(10月のみ)

【六時堂】
8時30分~18時
└※毎月21日・会中:8~18時

【お堂の外からのお参り】
24時間
休館日 年中無休
駐車場 無し
入場料 【中心伽藍】
大人 300円(200円)
高校生・大学生 200円(100円)
小学生・中学生・幼稚園児 無料
【庭園】
大人 300円(200円)
高校生・大学生 200円(100円)
小学生・中学生 200円(100円)
幼稚園児 無料
【宝物館】
大人 500円(300円)
高校生・大学生 300円(200円)
小学生・中学生・幼稚園児 無料
※( )内は30名以上の団体料金です。
公式サイト http://www.shitennoji.or.jp/

四天王寺のアクセス

四天王寺
四天王寺
四天王寺
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「四天王寺」
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