歴女に人気の城下町

岐阜県の城下町・郡上八幡(郡上市)

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岐阜県郡上市八幡町柳町は、「郡上八幡」(ぐじょうはちまん)と言う名称で知られる日本の城下町。江戸時代には「郡上藩」が置かれ、政治・経済の中心地として栄えていました。
現代でも、木造家屋が軒を連ねる景観をはじめとして、「日本三大盆踊り」のひとつ「郡上おどり」や、自然が作り出す「大滝鍾乳洞」(おおたきしょうにゅうどう)など、見どころや名所が数多く存在し、年間に延べ500万人を超える観光客が訪れる岐阜県屈指の観光名所としても有名です。

日本最古の木造復元天守「郡上八幡城」

郡上八幡城

郡上八幡城

郡上八幡城」(ぐじょうはちまんじょう)は、1559年(永禄2年)に「織田信長」(おだのぶなが)や豊臣家(とよとみけ)に仕えた「遠藤盛数」(えんどうもりかず)が築城した山城。

築城当初の名称は「八幡城」(はちまんじょう)ですが、他の八幡城と区別するために、郡上八幡城と呼ばれるようになりました。

初めは、天守閣のない砦でしたが、3代城主「遠藤常友」(えんどうつねとも)の時代に大改修が行なわれて、「天守台」や「塀」、「兵糧庫」(ひょうろうこ)、「武器庫」の他、「二の丸」などが増築されたと言います。郡上八幡城はそののち、1871年(明治4年)に行なわれた「廃藩置県」によって、石垣を除いたすべての建造物が取り壊されました。

現在の郡上八幡城は、1933年(昭和8年)に復元されたお城で、4層5階建の木造再建城としては日本最古になります。石垣などの城跡が「岐阜県指定史跡」に指定されている他、模擬天守は「郡上市有形文化財」に指定されるなど、歴史的に価値の高い建造物です。

郡上八幡城が注目を集めるようになったのは、2015年(平成27年)に「天空の城」としてメディアに取り上げられたためです。また、文豪「司馬遼太郎」(しばりょうたろう)が「街道をゆく」と言う著書の中で「日本一美しい山城」と讃えていたことも理由のひとつ。

「郡上八幡観光協会」によると、雲海に浮かぶ郡上八幡城を最も美しく撮影できる時期は、例年10月下旬から12月中旬の朝6時半頃。国道256号線の堀越峠の頂上付近が、絶好の撮影場所として紹介されたことから、多くの写真家や観光客が国内外から訪れるようになったのです。

著名な小説家の書籍を、特徴的な刀剣の描写とともにご紹介します。

郡上八幡は「県内初」や「全国初」が多くある町

郡上八幡は、新しいことへの取り組みにも積極的で、県内初や全国初となる試みも多く大変魅力的な城下町です。ここでは、郡上八幡からスタートした初めてをご紹介します。

傘連判状

江戸時代の「郡上藩」(ぐじょうはん:現在の岐阜県郡上市)では、宝暦年間(ほうれきねんかん:1751~1764年)に大規模な一揆が起こりました。そのときの郡上八幡城の城主は、23歳の若さで郡上藩主となった「金森頼錦」(かなもりよりかね)です。金森頼錦は、絵を描いたり歌を詠んだりと、文化人の一面を持ち合わせていました。

徳川吉宗

徳川吉宗

当時の将軍「徳川吉宗」(とくがわよしむね)の耳にもその噂が届き、金森頼錦に郡上八幡で天文観察を行なうように命じたと言われています。

そうした学問の志が認められ、将軍の身近で様々な役目を果たす職「奏者番」(そうじゃばん)に就くことになりました。

しかし、奏者番はその役目がら諸大名との交際が必要になるため、必然的に派手な社交術も求められます。

郡上藩が財政難であるという状況にもかかわらず、金森頼錦の派手な交際により出費がかさみ、その結果、郡上藩では増税という策に頼らざるを得ない状況となっていったのです。「年貢徴収法」を改正するなどの策を講じますが、これが農民達の不安を仰いでしまい、その結果、郡上一揆が起こります。

このときに「傘連判状」(からかされんぱんじょう:一揆などで用いられた署名形式の一種)が全国で初めて作成されました。傘連判状は、賛同者が円形状に記名する連判状(署名形式の一種)のこと。それまでの連判状は、最初に明記されていた名前の者が首謀者とみなされて、あとで処罰を受ける際に最も重い罰を与えられていました。

一方で傘連判状は、傘を開いたときのように円の形になっており、農民の名前が円状に書き列ねてあるので、最初も最後もなく、首謀者が誰なのかが分からない仕組みになっています。郡上の人々は、賛同者の平等性を求めて、傘状の連判状を考え出したのです。

レントゲン棟

レントゲン室

レントゲン室

「旧林療院」(きゅうはやしりょういん)は、岐阜県内で初めて「レントゲン施設」を導入した医療施設です。

1904年(明治37年)に開業した林療院は現在、「郡上八幡楽藝館」(ぐじょうはちまんらくげいかん)と言う名称で、民族資料館として一般公開されています。

県下初のレントゲン施設「レントゲン棟」は、林療院の本館に隣接する形で、大正時代中期頃に建てられたと言われており、1998年(平成10年)には国の登録有形文化財に指定されました。

ケーブルテレビ局

「ケーブルテレビ局」が日本で初めて自主放送を行なったのも郡上八幡です。その背景として、当時の日本のテレビ放送は、山間部でアンテナを設置しても受信が上手くいかないことが多く、どうしても都心が中心になりがちだったことが背景にあります。

そこで、郡上八幡では共同受信施設を利用して、新聞社の協力のもと、自主制作番組の放映を試みます。1962年(昭和37年)から共同受信が始まり、1963年(昭和38年)からは有線テレビ放送施設として放送を開始。これが、日本初のケーブルテレビ局開局の瞬間です。

全国名水百選

名水が好きな歴女に欠かせないスポットと言えば、本町にある「宗祇水」(そうぎすい)。宗祇水は、別名「白雲水」(はくうんすい)とも称される湧き水で、1985年(昭和60年)に「全国名水百選」の第1号に選定されました。名称の由来は、室町時代の連歌師「飯尾宗祇」(いいお/いのおそうぎ)が、この湧水を好んでいたためと言われています。

食品サンプル

食品サンプル

食品サンプル

郡上八幡は、「食品サンプル」の生産量日本一の町として有名ですが、その由縁はあまり知られていません。

「食品サンプルの生みの親」とも言われる「岩崎瀧三」(いわさきたきぞう)氏の出身地が、郡上八幡だったことから、郡上各所に食品サンプル工房が生まれ、日本で初めて「食品サンプルの町」になったのです。

シルクスクリーン印刷

トートバッグやプリントシャツなどを自作する歴女なら知っておきたい「印刷技術の全国初」も郡上八幡にあります。それは、Tシャツの印刷などに用いられる、孔版画(こうはんが)の一種「シルクスクリーン印刷」。印刷したい模様や文字の部分のみに穴を空け、上からインクを塗り広げて印刷する技法ですが、実はこのシルクスクリーン印刷の発祥の地も、郡上八幡なのです。

「菅野一郎」氏などの起業家がシルクスクリーン印刷機を発明し、印刷職人の養成所を郡上八幡に開設。その後、印刷職人が独立して全国へ広まりました。

郡上八幡の伝統芸能と歴史ある建造物

郡上八幡の町並み

郡上八幡の町並み

戦国時代から明治維新まで城下町として栄え、「奥美濃の小京都」と呼ばれた郡上八幡には、昔ながらの木造家屋が今なお多く残っていますが、実は「大正の大火」によって大半の建物が焼失しています。

そして、昭和時代に再建されて以降は、ほとんど町屋に手を加えられることなく、現代ではその景観自体が名物になりました。

また、郡上八幡は市民が出演することで有名な「高雄歌舞伎」(たかおかぶき)や、「落語会」などの文化的な催しが多く開催されており、観光客に人気となっています。

高雄歌舞伎

高雄歌舞伎は、「高雄神社」(たかおじんじゃ)で毎年秋に奉納される歌舞伎のことで、郡上市重要無形民俗文化財にも指定される伝統的な祭りです。村人が総出で行なう一大行事であり、豊作の秋を祝うための祭りとして、祭事の日には多くの観光客で賑わいます。

地元の住民達が演じる歌舞伎のことを「地歌舞伎」(じかぶき)と呼び、郡上八幡を含む岐阜県美濃地方は、「神奈川県相模」、「兵庫県播磨」と並んで「日本三大地歌舞伎」のひとつに数えられており、美濃地方はその中でも日本一地歌舞伎が盛んな地域として有名です。

郡上おどり

郡上おどり

郡上おどり

郡上おどり」は、400年以上前から続く「日本三大盆踊り」のひとつであり、その囃子「郡上節」が「日本三大民謡」のひとつとして数えられる、全国でも有名なお祭り。

毎年、7月中旬から9月上旬にかけて、延べ32夜に亘って開催されており、なかでもお盆期間(8月13~16日の4日間)に行なわれる「徹夜踊り」には、毎年20万人以上の観光客が訪れます。

なお、郡上おどりの始まりについては2説あり、ひとつは初代藩主「遠藤慶隆」(えんどうよしたか)が、領民との親交を深めるために始めた説。そしてもうひとつは、江戸時代中期の藩主「青山氏」(あおやまし)が、百姓一揆のあとに領民と良好な関係を築くために始めた説。

飛騨地方の歴史を記した江戸時代の古文書「飛州志」(ひしゅうし)によると、郡上八幡では1590年(天正18年)の時点で「お盆中、夜通しで踊った」と記載があるため、江戸時代以前から郡上おどりの前身となる踊りを行なっていたことが分かります。

郡上おどり最大の見どころの徹夜踊りは、地元住民だけではなく、観光客も一緒になって踊り明かすことから、テレビなどでも放映される夏の風物詩です。踊るときの衣装は特に決まっていませんが、浴衣姿で下駄を鳴らしながら踊るのが、祭りの調子を高めると言われています。

踊りの種類が全部で10種類あることも、郡上おどりの特徴のひとつ。10種類もあるのは、藩内のあちこちの村で伝わってきた踊りを一箇所に集約した名残と言われています。踊り初めのうちは、各踊りを覚えるのが大変ですが、何度も踊っているうちに上手に踊れるようなるのが郡上おどりの魅力です。

また、優秀な踊り手には「免許状」が贈呈されるのも楽しみのひとつ。課題曲は、毎晩10時頃に出されて、上手な踊りを披露した方には審査員から「免許皆伝」と記された木札が渡されます。「郡上おどり保存会」の事務所に木札を持っていけば、免許状と引き換えることができるため、この免許状を取得するために踊りに参加するという観光客も少なくありません。踊りが好きな歴女も、免許皆伝を目指して参加してみてはいかがでしょうか。

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岐阜県郡上市の「郡上踊り」のほか、全国の日本の祭り・花火大会を検索できます。

郡上八幡旧庁舎記念館

郡上八幡旧庁舎記念館

郡上八幡旧庁舎記念館

郡上八幡の町のほぼ中央に位置する「郡上八幡旧庁舎記念館」は、1936年(昭和11年)に建てられた洋風建築で、1994年(平成6年)まで町役場として使われていました。

現在は、観光案内所として活用されており、無料休憩スペースの他、土産品販売所や軽食コーナーなども併設。

郡上八幡を訪れた際に、初めに訪れる場所として、また地元民の憩いの場としても利用されています。

さんぷる工房

さんぷる工房

さんぷる工房

さんぷる工房」は、築150年の町家を改造して作られた食品サンプルの販売店。食品サンプル作り体験もできる観光施設としても有名です。

店内では、あらゆる食品サンプルが販売・展示されており、サイズも様々。何よりも驚くのは、本物と見間違うほどの再現性です。

餃子やスパゲッティ、フルーツパフェなどの料理をはじめとして、レタス、バナナ、トマトなど、一見すると食品サンプルに見えない精巧な作りをしており、飲食店などでサンプルとして使える物から、キーホルダーやストラップ、マグネットなど、お土産に最適な可愛い物まで揃っています。

また、天ぷらやフルーツタルトなど、食品サンプル作りができる体験スポットとしても大人気。連休のときなどは、特に子供連れの家族で賑わっています。

郡上八幡樂藝館

郡上八幡楽藝館は、明治時代に建てられた洋館の医院・旧林療院を利用した文化・観光施設。大正時代には、本館の北側にレントゲン棟と言う施設が増築され、岐阜県で最初にレントゲン室が設置された場所として有名です。

木造2階建の洋風建築の壁には漆喰が塗ってありますが、これは明治時代の洋館で全国的にもよく見られた技法。洋館の外観に似せて造った建築物に、日本の左官技術が融合した例のひとつです。本館の玄関にある、古代ギリシャの神殿を思わせるイオニア式の円柱も、丸太に縄を巻いて漆喰で固めて造られており、当時の左官技術の高さを窺うことができます。

建物の左手側には、江戸時代の「足軽長屋」を改造した「看護婦棟」が現存。建物は国の登録有形文化財に指定されており、郡上八幡の文化を知ることができる資料館として、保存・活用されています。

大滝鍾乳洞

大滝鍾乳洞

大滝鍾乳洞

大滝鍾乳洞」(おおたきしょうにゅうどう)は、郡上八幡の中心街から東南にあり、東海地方最大級の規模を誇る鍾乳洞として有名。

地底にある「大滝」と呼ばれる滝は、高さ30mから流れ落ちる大滝鍾乳洞の象徴です。

地底滝としては日本最大級で、水源は不明ですが、約4kmは遡っているのではないかと言われています。

洞窟内には、学術的に価値が高い鍾乳石が多く存在。また、夏場でも気温が20度を下回る場所として、多くの観光客が訪れる名所です。

なお、郡上市内には他にも、過去に人が住居として利用していたという「縄文鍾乳洞」(じょうもんしょうにゅうどう)や、世界でも珍しい竪穴式の立体迷路型「美山鍾乳洞」(みやましょうにゅうどう)などの鍾乳洞があります。鍾乳洞の神秘的な雰囲気が好きな歴女は、ぜひ3つすべての鍾乳洞を巡ってみて下さい。

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