MENU
文字サイズ
閉じる
刀剣ブログ 刀剣広場

CONTENT/記事

文字サイズ

備前刀を満喫! 備前長船刀剣博物館(瀬戸内市)

備前刀を満喫! 備前長船刀剣博物館(瀬戸内市)

刀剣界のリーディング・ブランドと言えば、「備前長船派」(びぜんおさふねは)の名前を思い浮かべる日本刀(刀剣)ファンも多いのではないでしょうか。
そんな備前長船派の故郷である備前国邑久郡長船こと、現在の岡山県瀬戸内市長船町には、全国でも珍しい日本刀(刀剣)専門の博物館「備前おさふね刀剣の里 備前長船刀剣博物館」があります。日本刀(刀剣)の展示はもちろん、鍛刀場や工房も併設されており、実際に日本刀(刀剣)を鍛える制作風景や、「研師」(とぎし)、「鞘師」(さやし)、「柄巻師」(つかまきし)などの職人技を間近で見ることもできるのです。今回は、備前長船派について、また備前長船刀剣博物館についてご紹介していきます。

備前長船派とは

「備前長船派」(びぜんおさふねは)は、「五箇伝」(ごかでん)のひとつ「備前伝」(びぜんでん)の中核を成す一派で、室町時代中期に興されました。備前国邑久郡長船(びぜんのくにおくぐんおさふね)を活動拠点としたため、「長船派」と称されたのです。

なお、五箇伝とは、5つの地域に伝えられた日本刀(刀剣)制作の伝法を意味し、「大和伝」(現在の奈良県)、「山城伝」(現在の京都府)、「相州伝」(現在の神奈川県)、「美濃伝」(現在の岐阜県)、そして備前伝(現在の岡山県)を指しています。

備前伝が生まれた備前国の特徴は、政治の中心地から地理的に離れていたこと。それにより、政治動向に左右されず繁栄できたのです。さらに、砂鉄や水、木炭など、日本刀(刀剣)制作に欠かせない材料が豊富に揃っていたため、五箇伝の中でも最大数の刀工を擁し、多数の名匠を生み出しました

特に、長船派の刀工が作った日本刀(刀剣)は「長船物」(おさふねもの)と呼ばれ、長船派が誕生した時代から現代まで高く評価されています。

歴史上の有名人としては、「織田信長」が長船派の始祖「光忠」(みつただ)の作品を好み、一説には生涯に32振を集めたとのことです。

ゆっくり見て回りたい「備前おさふね刀剣の里」

備前おさふね刀剣の里には、日本刀(刀剣)の展示が行なわれる「備前長船刀剣博物館」をはじめ、日本刀(刀剣)の世界を満喫できる様々な施設があります。そこで、それぞれの見どころをピックアップしました。

備前長船刀剣博物館

博物館の1階と2階には、常時40振ほどの日本刀(刀剣)が展示公開されています。

さらに、年間約6回の企画展やテーマ展を開催。なかなか観る機会のない展示品もありますので、チャンスを逃さないよう公式サイトをチェックしてみましょう。

【備前おさふね刀剣の里 備前長船刀剣博物館】
http://www.city.setouchi.lg.jp/token/

刀剣の世界

備前長船刀剣博物館内にある、日本刀(刀剣)について学べるスポットです。日本刀(刀剣)の各部分名称や、歴史と時代背景など、最新デジタル技術を活用した映像と共に解説。

「刀言葉クイズ」や「名刀とんちんかんゲーム」といった遊びながら勉強できるコーナーもあり、子ども達や日本刀(刀剣)初心者の方から人気を集めています。

刀剣の世界 展示室

刀剣の世界 展示室

備前長船鍛刀場

美術刀剣類の制作を承認された、つまり現代の刀匠が実際に作刀し、その作業風景を見学できる施設です。

日本刀(刀剣)が完成するまで、日によって様々な工程の作業が行なわれていますので、毎日見学すると日本刀(刀剣)1振が出来上がるまでを観ることができます。ただし、納品のためお客様のもとへ出掛けて留守のときもあるそうですからご注意を。

また、毎月第2日曜日の午前11時~、午後2時~、各1時間ずつ「古式鍛錬」が開催されます。1,200℃の高熱で玉鋼(たまはがね)を打ち延ばす作業は圧巻の迫力。鎚打つ響きと、玉鋼も溶ける温度をすぐ側で感じてみたいものです。

古式鍛錬

古式鍛錬

古式鍛錬では、鍛錬に臨む刀匠が毎月変わります。鎌倉時代に「後鳥羽上皇」(ごとばじょうこう)が任命した「御番鍛冶」(ごばんかじ)のようですね。

備前長船刀剣工房

日本の伝統美術工芸の技を継承する職人の作業風景が公開されています。現在は、「塗師」(ぬりし)と「刀身彫刻」の匠が入居。日々作品制作に携わっているとのこと。

また、毎週日曜日と祝日には研師(とぎし)、毎週日曜日には柄巻師(つかまきし)、第2日曜日には鞘師(さやし)が来場。つまり、日曜日に訪れれば匠の技をじっくり見学することができる訳です。

研師の作業風景

研師の作業風景

今泉俊光刀匠記念館

備前刀は、安土桃山時代の後期に吉井川の氾濫により被害を受け、備前鍛冶の伝統は一旦衰退してしまいました。そんな備前刀の復興に生涯をかけて尽くした人物が「今泉俊光」(いまいずみとしみつ)刀匠です。

備前長船刀剣博物館に併設された「今泉俊光刀匠記念館」では、今泉俊光刀匠の偉業について、作刀道具の展示と共に紹介。備前刀復興に込められた今泉俊光刀匠の熱意に触れることができます。

研修館

研究発表会や講習会をはじめ、一般の方のグループ展などにも利用可能な多目的ホールです。

毎月第1、第3土曜日には「工芸制作講座」(小刀制作講座)を開講。刀匠が玉鋼から鍛錬、火造りした材料に、①ヤスリがけ、②銘切り、③土置き、④焼き入れ、⑤荒研ぎまで行ないます。2~4回ほどの受講で完成。穴があいても汚れても良い作業用の服と、お昼のお弁当は必須です。

受講料1回2,000円の他に、最初に材料費15,000円が必要。研ぎ、塗りなど、職人による仕上げには別途実費がかかります。

また、毎月1~2回、いずれかの土曜日か日曜日には「日本刀手入れ講習会」を開講。受講料は無料です。どちらの講座も事前予約をお忘れなく!

ふれあい物産館

美術刀剣や刀装具、刃物類をメインに、備前焼、刀剣の里ゆかりの工芸品など展示販売しています。

日本刀(刀剣)を購入することもできますので、興味のある方はぜひ来場して実物を確認してみましょう。専属の刀匠が丁寧に説明してくれるとのこと。

もちろん、お土産品も揃っていますから、気軽にショッピングも楽しめます。見学の途中にお茶処で休憩を取るのもおすすめです。

備前長船刀剣博物館の展示予定

備前長船刀剣博物館にて、開催が予定されている展示は下記の通りとなります。

特別展「一文字と長船」

開催期間
2019年9月14日(土曜日)~2019年10月27日(日曜日)

備前国で鍛えられた日本刀(刀剣)は備前刀と呼ばれ、とりわけ戦国時代には数多の武将の心を虜にしてきました。

備前国の東部には吉井川が流れ、この流域を拠点とした長船派と福岡一文字派の作品は、備前刀の中でも特に優れているとされ、多くが国宝重要文化財に指定されているのです。

この展示では、長船派と福岡一文字派の作品を通して、備前刀の魅力をより深く知ることができると考えています。

テーマ展「備前刀と刀装具展」

開催期間
2019年11月2日(土曜日)~2020年1月26日(日曜日)

日本刀(刀剣)の魅力は、刀身だけではありません。刀装具と呼ばれる「鍔」(つば)、「小柄」(こづか)、「縁頭」(ふちがしら)なども日本刀(刀剣)の重要な一部であり、職人の技と込めた想いが凝縮されているのです。

これらの刀装具にもスポットを当てた展示とのことですので、その精緻な美しさを堪能してみましょう。

テーマ展「県内外の赤羽刀展」

開催期間
2020年2月1日(土曜日)~2020年3月29日(日曜日)

第2次世界大戦後、日本刀(刀剣)はGHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の命令により接収され、多くが処分されてしまいました。

しかし、一部の美術的価値の高い作品は、当時、東京都北区赤羽にあったアメリカ陸軍の第8軍兵器補給廠(へいきほきゅうしょう)に集められたのです。

これらの刀剣類は、のちに有識者の努力により日本へ返還され、保管されていた場所から「赤羽刀」(あかばねとう)と呼ばれることになりました。

この展示では、日本各地の博物館に所蔵されている赤羽刀が集められます。貴重な作品を間近で観ることができる、またとないチャンスと言えるでしょう。

刀剣展示をしている博物館・美術館についてご紹介!

CATEGORY/カテゴリー CATEGORY/カテゴリー

New Article/新着情報 New Article/新着情報

  • 岐阜県博物館(関市)で刀剣を観てきました! 岐阜県博物館(関市)で刀剣を観てきました!
    2019/10/17

    岐阜県博物館(関市)で刀剣を観てきました!

  • 明智光秀の出生は謎だらけ!? 明智光秀の出生は謎だらけ!?
    2019/10/10

    明智光秀の出生は謎だらけ!?

  • 明智光秀はグルメだった!? 明智光秀はグルメだった!?
    2019/10/3

    明智光秀はグルメだった!?

  • 本能寺の変~なぜ明智光秀は織田信長を裏切った?~ 本能寺の変~なぜ明智光秀は織田信長を裏切った?~
    2019/9/26

    本能寺の変~なぜ明智光秀は織田信長を裏切った?~

  • 【麒麟がくる 美濃編】のロケ地かも!?明智光秀ゆかりの地(岐阜県) 【麒麟がくる 美濃編】のロケ地かも!?明智光秀ゆかりの地(岐阜県)
    2019/9/24

    【麒麟がくる 美濃編】のロケ地かも!?明智光秀ゆかりの地(岐阜県)

刀剣ワールド
Twitter公式アカウント

ARCHIVE/アーカイブ ARCHIVE/アーカイブ

注目ワード

ページトップへ戻る