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伝家の宝刀

伝家の宝刀

日本刀(刀剣)に由縁のフレーズは数多くあります。その中でも、私たちに「耳なじみ」のある言葉のひとつとして、「伝家の宝刀」(でんかのほうとう)があるのではないでしょうか。スポーツ中継で、実況担当のアナウンサーが「伝家の宝刀が出ました!」などと絶叫しているシーンに直面した方もいらっしゃると思います。今回は、現代においてもなじみのある伝家の宝刀にまつわるお話です。

伝家の宝刀とは

「伝家の宝刀」は、先祖から伝承されてきたことを意味する「伝家」と、価値の高い日本刀(刀剣)を意味する「宝刀」からなる言葉。その意味については、その家に家宝として代々受け継がれてきた日本刀(刀剣)が転じて、とっておきの場面で繰り出す切り札や、奥の手というものが一般的です。

そのため、スポーツなどの勝負どころで勝利を手繰り寄せるために、「伝家の宝刀を抜く」という選択がなされることがあります。例えば、野球であれば、投手が絶対的なウイニングショット(決め球)となる変化球を投げてピンチを脱出した場面や、サッカーであれば、フリーキックで勝利につながるゴールを決めた場面などを思い浮かべると、その意味を理解しやすいかもしれません。

野球やサッカーでの伝家の宝刀

野球やサッカーでの伝家の宝刀

伝家の宝刀という言葉は、武士が先祖伝来の家宝である日本刀(刀剣)を使用する(抜く)場面に由来します。「刀は武士の魂」という言葉が示すように、武士にとって、日本刀(刀剣)は単なる武器に止まらない特別な存在でもありました。それが先祖伝来の日本刀(刀剣)であれば、なおさらでしょう。それ故、伝家の宝刀を安易に使用することに、ためらいが生じるのです。

日本刀(刀剣)で何かを斬った場合、折れたり、刃こぼれをしたりすることはなくとも、刀身は何らかのダメージを負います。つまり、日本刀(刀剣)を使う場合、常に破損してしまうリスクが付きまとっているのです。1度抜いてしまったが最後、元通りの形である保証はどこにもありません。

そのため、先祖伝来の家宝を抜くのは、いざという時、すなわち、その日本刀(刀剣)を使うのにふさわしい場面に限定されます。

伝家の宝刀を振るって奮闘した将軍

足利義輝

足利義輝

「足利義輝」(あしかがよしてる)という名前を聞いて、「ああ、あの剣豪将軍だよね?」と反応できる貴方は、かなりの歴史マニアかも!?

室町幕府の将軍の中で、一般的に知名度が高いのは、初代の尊氏や3代・義満、8代・義政あたりでしょうか。鎌倉幕府初代将軍「源頼朝」(みなもとのよりとも)以来、武家の最高峰を表す称号となった「征夷大将軍」ですが、その実は、武家政権における行政府の長でした。そのため、将軍には「武」のイメージが薄いのが実情です。

そんな将軍の中で、異彩を放っていたのが室町幕府13代将軍・義輝でした。剣術の修行に励んだ義輝はメキメキと腕を上げ、遂には無敗の剣聖と言われている「塚原卜伝」(つかはらぼくでん)から免許皆伝されたのです。いわゆる「剣豪級」と称された将軍は数あれど、義輝は「ホンモノ中のホンモノの剣豪」と言える存在。剣術を極めた「史上最強」の将軍でした。

江戸時代後期に「頼山陽」(らいさんよう)が著した民間の歴史書「日本外史」には、義輝が「伝家の宝刀十余口」を手に孤軍奮闘した旨の記述があります。これは「松永久秀」(まつながひさひで)らの裏切りによって勃発した「永禄の変」の描写です。伝家の宝刀と共に、敵兵を寄せ付けないなど、剣豪ぶりを十二分に発揮した義輝でしたが、衆寡敵せず。最後は四方から畳を持った敵が押し寄せて取り囲み、身動きが取れなくなったところで討ち取られたという逸話が残っています。

このとき、義輝が武器として使用した伝家の宝刀の中には、あの「三日月宗近」(国宝)が含まれていたという話も…。永禄の変で三日月宗近が使用されたという話については、後世の創作だという説が有力ですが、剣豪将軍・義輝が、日本刀(刀剣)を手に押し寄せる敵と戦ったことは間違いないようです。

また、足利将軍家は名刀収集に熱心だったと伝えられることから、それらの名刀は、将軍の側で保管されていたと考えられます。したがって、義輝が伝家の宝刀を手に戦ったという話も、筆者の頼山陽が「盛った」(誇張した)話であるとは言い切れません。

天下の宝刀?

皆さんは、「天下の宝刀」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?「伝家の宝刀なら、知っているけど、天下の宝刀って聞いたことがないな…」などと言うことなかれ。実はコレ、平成24年度に「文化庁」が発表した「国語に関する世論調査」において、日本人の3割を超える人が、伝家の宝刀と勘違いをして「使っている」とされている言葉なのです。

天下の宝刀という言葉を分解してみると、確かに、「天下」には比類ないとか、この上ないという意味がありますし、それが宝物として大切にしている日本刀(刀剣)を意味する「宝刀」という言葉と合体することによって、ものすごく価値のある日本刀(刀剣)という感じがしますよね?

ですから、「モノスゴイ日本刀(刀剣)」を意味する言葉として使用されているとしても、不思議ではありません。伝家の宝刀と天下の宝刀。どちらの言葉からも「とても大切な日本刀(刀剣)」というニュアンスは伝わってきます。

日本語に限らず、言葉(言語)は時代の移り変わりと共に変化していくもの。それ故、天下の宝刀が今以上に定着していく可能性もあると言えるのです。もしかしたら、将来、現在では誤用とされている天下の宝刀が「正解」となり、伝家の宝刀が「誤り」という時代が来ないとは言い切れません。

実物の伝家の宝刀

「伝家の宝刀という言葉の由来や意味、伝家の宝刀にまつわるエピソードについては分かった。じゃあ、実物の伝家の宝刀には、どんな日本刀(刀剣)があるの?」と思われた方もいらっしゃることでしょう。

伝家の宝刀は「家」に伝来する日本刀(刀剣)。単純に言えば、家の数だけ存在することになります。実物に接するのは、なかなか難しそうです。

労せずして伝家の宝刀の実物に接する。そんな都合のいい話が…実はありました!

当ブログを掲載している「バーチャル刀剣博物館・刀剣ワールド」には、「名家・著名人の日本刀(刀剣ワールドの所蔵刀)」と題したコーナーがあります。そこでは、「歴史人の愛刀」や「代々、大切に受け継がれた名刀」を多数掲載。当該日本刀(刀剣)にまつわるエピソードや、解説を読んで知識を蓄えて頂くことはもちろん、写真や動画で実物を確認して頂くことも可能です。

  • 名家・著名人の日本刀(刀剣ワールドの所蔵刀)名家・著名人の日本刀(刀剣ワールドの所蔵刀)
    歴史上の人物と日本刀にまつわるエピソードをまとめました。

様々な角度から撮影・収録された写真や動画には、まるで、その日本刀(刀剣)を目の前で観ているかのような臨場感があります。もっとも、サイト上で文章や写真、動画を見ていたら、実物を観たくなってしまうのが人情というもの。そんな欲張りな?方には、とっておきの方法があります。

それは名古屋・丸の内(東建本社)と桑名・多度(ホテル多度温泉)にある「刀剣コレクションルーム」で鑑賞して頂くこと。いずれも入館無料。詳細については、下に掲載したバナーをクリックしてご確認頂けると幸いです。

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    最大200振の日本刀を展示し、国宝・重要文化財や重要美術品といった貴重な日本刀もご覧頂くことができます。

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